そして、『攻殻機動隊 SAC_2045』では、ほかにも大きく更新された点がある。それが、タチコマだ。
本編の視聴はしていなくとも、auのTVCMに見慣れないタチコマが登場したことに気づいた方は多いのではないだろうか? あれが、『攻殻機動隊 SAC_2045』に登場しているタチコマだ。現在同社の5Gプロモーションサイトで視聴できるので、ご覧頂きたい。

『攻殻機動隊 SAC_2045』で描かれるタチコマは、これまでの多脚思考戦車という性質や、アクシデントにより個性のようなものが備わっている点は変わりがないものの、そのデザインが大きく変更されている。そもそも従来のタチコマに比べると小さい。公式instagramにて公開されているキャラクターの比較図と、Production I.Gの『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』公式サイトで公開されている対比図を見比べれば、一目瞭然だろう。『攻殻機動隊 SAC_2045』のタチコマは、後部のポッド部分がバイクのように前傾して搭乗する形態になり、戦闘シーンでのスピード感・カーチェイス感が心地いい。また、装備・カラーリングについてもバリエーションが増え、重装備型が登場している点も楽しみのひとつだ。なお、『攻殻機動隊 SAC_2045』でのタチコマについては、BANDAI SPIRITS コレクターズ事業部が商品を計画中である。そしてお楽しみのタチコマ同士の掛け合いシーンでも、顔(?)のデザインが変わったことで、より人に近づいた印象がある。なお、これまでのタチコマの登場については、実際に視聴して確認していただきたい。


最後に、肝心のストーリー部分だが、ひとことで言うなら「ズルい」。もちろん、いい意味でだ。アメリカ西海岸という攻殻機動隊的には新鮮な土地における、まったく公安9課らしい素子らの振る舞いに安心感(?)を覚える冒頭から、彼らの危機、そして提示される「ポスト・ヒューマン」の謎と公安9課再編など、アクションシーンを挟みながら物語の展開も息つく暇がない。かと思えば、第7話「はじめての銀行強盗」のようなボトルショーが差し込まれ、背景説明に奥行きが与えられているのも攻殻機動隊S.A.C.らしい構成だ。ネタバレにもなるのでこのあたりで留めおくが、1stシーズン12話を見終わった後は、ある程度の状況理解と、2ndシーズンへの渇望が生まれていく仕組みになっている。
『攻殻機動隊 SAC_2045』は、これまでのファンであれば、攻殻機動隊の新章ということで、楽しみながら見ることができるはずだし、新規ファンは最低限の世界観である、電脳や義体といったワードだけ頭に入れれば(もっとも、オープニングを見ればわかる仕組みになっている)、存分に楽しめるだろう。既存・新規ファン両者に、ぜひ楽しんでいただきたい作品だ。
TEXT:VLバス