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参加者はろう者、難聴者と聴者。ここに、今回はお笑い芸人の田村裕(麒麟)、大西ライオン、きんめ鯛、ラフ次元、Tの極みが参加してチームを組み、音を聞かないと解けない謎、手話を知らないと解けない謎を協力して解き脱出ゲームに挑戦した。手話と音声という異なる言語を使うもの同志が伝えあいながら脱出を目指すの状況は、普通の脱出ゲームよりも難易度が高かったように思う。
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ちなみに、レイザーラモンや天竺鼠(てんじくねずみ)、大屋あゆみ、キャベツ確認中も出題者として登場した。
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参加してみた感想を聞かれた田村(麒麟)は「こっちが質問するのも難しいですし、相手がわかっているかどうかを確認するのも難しい。脱出ゲームをいくつか経験したことはあるんですが、いつもより難しい。でも伝わった時の喜びは大きいので、たとえ脱出できなくてもゲームとしての心の動きが多いように感じました」と感想を述べた。脱出ゲームの問題としてはちょうどいいくらいの難易度だったと述べるも「いろんな問題があったんですが、僕が解いたのはゼロでした」と笑った。
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イベント後には囲み取材も行われた。両親が耳が聞こえないため子供の頃から手話で生活をしていたという大屋は「いつかは手話とお笑いをコラボさせた企画をやりたいと思ってたので(参加できて)感謝してます」「これを沖縄とか色んなところで広めていきたいです」とコメント。実際にチームに参加して謎解きをした田村は「不思議な縁を感じる」として、自分の出身の吹田市ではじまった番組に手話コーナーがあって手話を勉強するきかけができたり、NHKのバリバラという障害者と健常者の垣根をなくす番組にゲスト出演したという過去を振り返った。キャベツ確認中のキャプテン★ザコは、手話を使った仕事は初めてだったとし「一個一個覚えていくと使いたくなる。それが楽しくなって、さらに覚えたくなる。それが進んでいくとすごく楽しくなると感じた。今回はそのきっかけをいただけた」、しまぞうZは「手話にも方言があるというのを初めて知って勉強になった」「僕は錦織圭をやってるんで、これで世界をまわってみたいと思う」と話した。また、東京国際連合広報センター所長の根本かおる氏は「静かな興奮が流れていて感動を覚えた」「手話を習いたいなという気持ちが自然に湧きおこってきた」とコメント。国連広報局のジェフリー・ブレーズ氏も「たぶん、これが世界初のゲームだと思う。日本で吉本興業がこんな面白いものを作ってSDGsを知ってもらう、深い意味で分かってもらうためのものを作ったのはすごいことだと思います。感謝を示したいと思います」とあいさつした、。
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自身もろう者であるIGENGO Lab.広報局長の菊永ふみ氏は、今回の脱出ゲームを考えるのに1ヵ月かかったと告白。しかし「はじめて吉本興業さんとのコラボということで慣れないことも多かったんですけど、笑いの力は大きいなと思いました。“伝え合う”ことができるというのはお互いにとっていい経験になったと思う」と感想を述べた。また、手話の動きとコンピュータの映像を連動させたファンタジアという空間の謎解きゲームを作ってみたいと、今後の抱負もコメントした。