阿部の俳優デビュー作は、1987年公開の映画『はいからさんが通る』。だがこの時の自分について「多少モデルはやっていた」と表舞台にいたとしながらも、「いきなり大抜擢だったんですよ。お芝居も初めてだし」と初めての演技だったことを明かし、「何言ってるか分からなかった」「完全に棒読みです」とも語った。
そんな阿部は1993年、劇作家つかこうへい演出の舞台『熱海殺人事件~モンテカルロイリュージョン~』に立った。モデル出身だった彼はそれまで“かっこいい”役しか引き受けてこなかったとしながら、「つかさんのお芝居をやるようになってから、いろんな役をやってみようと思うようになった」と回顧。
その時演じていたのは、最初でこそスーツを着た渋い部長刑事役だったが、公演中からいろいろなキャラが加わるようになり、女装をさせられて、「キャー!」「やめてー!」「揉まないで!」といった台詞も足されていったそう。そして最後は「棒高跳びを過去にやっていたバイセクシャルの部長刑事役」になったと振り返っていた。