Apple Watchとフィットネスマシンがスムーズに同期する
今回はトレッドミルによるランニングを試してみた。マシンの画面にはトレーニング中の歩行スピードや距離、傾斜角度などの情報や、Apple Watchから送られてくる心拍数と、計算から導き出されたアクティブカロリーの数値がリアルタイムにアップデートされている。本気のランニングに熱が入ってくると、手首を返してApple Watchの画面に目を落とすことですら辛く感じてくるものだ。マシンの大きな画面でトレーニングの成果が一望できるのはとても快適だった。

Apple Watchにはユーザーの伸長や体重、年齢・性別などのパーソナルデータが記録されているが、正確なトレーニングの成果を得るためにこれを毎度マシンに手入力する手間は不要だ。一度ペアリングを済ませたらApple Watchの情報は全てマシンのスクリーンを見れば良い。とても効率の良いユーザー体験が実現されている。

トレッドミルでのランニングを一時停止すると、Apple Watch側のカウントも連動して一時停止する。そして運動を再開すると再びウォッチのカウンターも続きの数字を刻みはじめる。当たり前のように思えるスムーズな機器連携も、これをリアルタイムに、かつセキュアな環境下で実現するための技術については、アップルがGymKitの開発の中でも特に長い時間を割いてきたという。


フィットネスマシンのトレーニングプログラムが終了すると、Apple Watchのカウンターも停止して機器間のペアリングも解除される。いったんペアリングが外れた後はもう、フィットネスマシンの側にユーザーのパーソナルデータやワークアウトの記録は残らないし、データはユーザーのApple WatchとペアリングされているiPhoneのアクティビティアプリにのみ保存される。iPhoneのアクティビティアプリから「ワークアウト」タブを開くと、どこのブランドのフィットネスマシンでトレーニングをおこなったか、トップに表示されるブランドロゴから一目でわかる。

なお、トレーニングの最中にApple Watchとのペアリングを忘れてスタートしてしまったことに気がついた場合も、そこまでのトレーニングが無駄になることはない。気がついた時点からApple Watchをペアリングしてあげると、フィットネスマシンとApple Watchがそれぞれに記録してきたデータを同期してくれる。

これからGymKitが使える施設がますます増える
今回は日本での導入第1号店となるANYTIME FITNESS 恵比寿店でGymKitをいち早く体験できたが、ANYTIME FITNESSを運営するFast Fitness Japanでは今後さらに全国に店舗を拡大する計画を立てている。その中にはGymKitのテクノロジーを楽しみながらトレーニングができる施設が増えていくことだろう。

アップルではGymKitを日本に先駆けてオーストラリア、アメリカ、英国、中国、香港でスタートしている。GymKitの拡大とともに、フィットネスマシンのメーカーも既存の機器に外付けできるアダプターや、内蔵されているICチップを入れ替える方法も含めて対応プロダクトをスピード感を意識しながら拡大していくという。先端のテクノロジーによって、効率よく楽しみながら体を鍛えられる日が来たことを歓迎しよう。
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