■iPhoneのラインアップが格安スマホの課題でもある
そんなタイミングで、格安スマホ/SIMサービスでしのぎを削るワイモバイルとUQモバイルが相次いで「iPhone 6s」を取り扱うことを発表した。32GBモデルと128GBモデルが用意され、発売開始はいずれも10月の予定。iPhoneがラインアップされていない、もしくはラインアップが少ないことで、格安スマホ/SIMの契約に踏み切れない人も多いと聞く。その意味では、“6s”は2年前のモデルではあるものの、両社ともに初の4.7インチモデルiPhoneの取り扱いとなり、それなりにインパクトはあるように思える。
ちなみにiPhoneを格安SIMで使いたい場合、必ずしもその格安SIMサービスとセットでiPhoneを購入する必要はない。各キャリアモデルのiPhoneはそれぞれのキャリア回線を使う格安SIMであればそのまま使えるし、iPhone 6s以降のモデルに関しては契約から一定期間を置けばSIMロックの解除が可能。最初からSIMフリーモデルのiPhoneを購入するという方法もある。ただ、利用する通信サービスとセットで購入できれば手続き的には楽だし、動作確認が保証されているという安心感もある。そして何より特定プランの契約とセットの際に端末代が割り引かれることが大きなメリットといえる。
それでは、ワイモバイルとUQモバイルで「iPhone 6s」を買った場合、実際の端末負担額はそれぞれどうなるのか、整理してみたい。
■ワイモバイルの場合
まずワイモバイルだが、一括支払いの場合は32GBモデルが78,300円、128GBモデルが91,260円(価格はすべて税込)。現在、Apple公式オンラインストアで販売されているSIMフリー版iPhone 6sの価格が54,864円(32GB)と66,744円(128GB)なので、比較するとかなり割高な価格となっている。データプランとセットで月々の割引が適用されるとどうか。ワイモバイルでは使えるデータ容量別に、S/M/Lの3つの料金プランが選べるが、Sプランの場合とMもしくはLプランの場合で端末の割引額が変わってくる。また、他社からの乗り換え(MNP)や新規契約の場合と、機種変更の場合とでも割引額が変動する(ソフトバンクからのMNPは機種変更の扱いとなる)。
MNP・新規でMおよびLプランに契約した場合、月々の割引額は1,836円。月の支払いは32GBモデルだと1,404円×24ヵ月、128GBモデルで1,944円×24ヵ月。それぞれ頭金の540円を加えた34,236円(32GB)、47,196円(128GB)が実質負担額となる。Sプラン契約の場合は月々の割引額が1,296円。月の支払いが1,944円×24ヵ月(32GB)、2,484円×24ヵ月(128GB)で、実質負担額は頭金540円を加えて47,196円(32GB)、60,156円(128GB)。
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機種変更の場合は、MおよびLプラン時の割引額が月額1,296円。実質負担額は47,196円(32GB)、60,156円(128GB)。Sプラン時の割引額が月額756円で実質負担額が60,156円(32GB)、73,116円(128GB)。機種変更でSプラン契約の場合は実質負担額でもSIMフリー版の価格を上回っている。
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