日本電信電話(NTT)は25日、地図上のバリアフリー情報を収集してわかりやすく表示する技術として、バリアフリーのルート選定に必要な情報を誰でも簡単に収集できる「バリアフリー情報収集技術MaPiece(まっぴーす)」と、立体地図表示を実現する「2.5D地図表現技術」の技術を開発したことを発表した。 どちらもバリアフリーのルートなどをナビゲーションするシステムの基盤技術となる。 既存のバリアフリーマップの場合、作成する自治体により表示基準がまちまちだったり、専門業者に依頼するとコストがかかるといった課題があり、バリアフリーマップの実用度にもバラツキがあったという。 「バリアフリー情報収集技術MaPiece」では国土交通省「歩行空間ネットワークデータ整備仕様案」を元に調査観点を選択肢として整理したもので、タブレットを使って誰でもわかりやすくバリアフリー情報の収集を可能としている。 計測にかかる時間や業者に依頼するコストを勘案すると、計測会社の測量による作成の場合と比較し1/10の低コスト化を実現。 既に、12日、13日に実施された新宿エリアにおけるバリアフリー情報調査で約1,800地点のデータ収集に活用されたり、23日に実施された「ジャパンウォーク in TOKYO/2016秋」という、オリンピアンやパラリンピアンと一緒に街を歩いてバリアフリーを考える取り組みで使われたWebサイト「ジャパンウォーク・ガイド」でも同技術で収集されたバリアフリー情報が活用されている。 そしてもう1つの技術となる「2.5D地図表現技術」は、既に広く作成されている平面地図やフロアマップを基にして、階層構造や施設などの特徴を反映する高さ情報を追加することで、立体地図の作成を容易とする。これにより、利用する人は、平面図よりも分かりやすくバリアフリーマップを活用することが可能だ。また、日本語による平面表示に不便を感じていた外国人旅行者にも、直感的な理解を提供することができるという。 こちらの技術に関しては、高精度測位社会プロジェクトの実証用アプリ「ジャパンスマートナビ」を活用し、成田空港でのフロアをまたがるナビゲーションに使われている。 将来的にはスマートフォンで自動収集できるように落とし込み、コスト換算1/100以下への簡易化と市民参加型のバリアフリー情報の収集を目指しつつ、NTTグループのAI技術「corevo」との連携などを行い、センサーの知能化を目指していくとしている。