ハイセキュリティな映像監視の現場において近年、非常に重宝されているのが、赤外線カメラだ。例えば、赤外線カメラを使うと、熱の可視化ができるので、どんなに周囲が暗くても、近づくクルマや人、生物をとらえることができる。 アイ・アール・システムは、22日まで東京ビッグサイトで開催された「防犯・セキュリティ対策展」において、そんな赤外線カメラと可視光カメラを組み合わせたコンパクト・カメラシステム「GeminEye」のデモ展示を行った。 「GeminEye」は、米・Moog社製で、IP67の防水防塵に対応しつつ、いわゆるMILスペックの防水&塩水噴霧耐性をクリアしたタフな製品。 最大の特徴は、 撮影対象をロックしてトラッキングする3つのモードを備えた追尾システムとなる。まず、赤外線から輝度の高い物体を検知し追尾するモード、続いて任意の対象をロックして追尾するモード、そして画角内で動く物体を検知して自動で追尾するモードがあり、クルマ、ヘリコプター、船、人などを目的に応じて追尾し、撮影することができる。 ちなみに追尾の速度や範囲に関しては、利用する電動雲台のパン・チルト性能に依存する。 ブースでは頑丈な専用三脚に載せられての展示だったが、建物への固定設置から、クルマや船舶への設置などにも対応する。特に胴体への設置に関しては、画面の揺れを除去できる機能も搭載しているので、揺れの少ない映像を取得することが可能だ。 さらに、カメラはブロック構造で、レンズやセンサーのグレードアップや照明をプラスするなどのカスタマイズも自在にでき、Moog社以外のカメラと組み合わせた構成にすることもできるという。 想定する導入先としては、沿岸監視や公共施設、発電所&製油所などのエネルギーインフラ、空港などのハイセキュリティなシーン。さらに船舶に設置すれば、遭難者の捜索活動などにも活かせるという。