外国人観光客の増加に伴い、日本のトイレも多言語対応へのニーズが急速に進んでいる。昨今の観光地の個室トイレでは、店舗や施設、近隣のインフォメーションを流すようにしているところもあるという。 そうしたなか、総合ビルメンテナンスと後付けタイプの環境ソリューションを提供するサンビルは、15日まで東京ビッグサイトで開催された「第7回省エネ・節電EXPO」に出展し、防災面でも役立つトイレ内音声情報案内装置「ポッチ」のデモ展示を行った。 「ポッチ」は、スペースの広い多目的トイレで視覚障がい者用に、音声案内で個室内の様子をガイドする装置。入室を感知すると、自動で音声案内を開始し、ボタンを押すと案内を繰り返すことができる。 従来のポッチは、1パターンしかガイドを録音できなかったが、今回展示された「ポッチUD-W」は外国語を3か国まで登録可能で、増加する外国人観光客にも対応。 日本のトイレは他国にないほど清潔で、ウオシュレットなどは外国人には使い慣れないものであるため、使い方がわからず、途方に暮れる外国人も多いというニーズに対応した製品となる。 「ポッチUD-W」でSDメモリーカードを採用し、自由に音声を録音できるようになり、本体には言語選択ボタンを備えることで、それぞれのボタンで利用者が自由に言語を選べる仕様になっている。 基本的には視覚障がい者や外国人向けの製品となるが、日本では地震が多く、慣れない外国人がパニックになる場合もあるため、災害時の適切な対応を教えるガイド端末としても活用できる。また、冒頭でも記したように、店舗や商業施設などの紹介を行うインフォメーション端末としても活用でき、ユーザーのアイデア次第で、トイレ発のおもてなしを実現することができる。 既に東急沿線全駅の多目的トイレをはじめ、各種交通機関、病院、図書館、百貨店を中心に納入されており、今後、インバウンドの増加とともに普及が広がりそうだ。