ドコモ、au、ソフトバンクの3大キャリアによるシェア争いが落ち着きつつあるなか、存在感を増しているのがMVNO事業者による格安SIMサービスだ。その一角を占めるUQ mobileでは、どのような事業戦略で展開していくのだろうか。■UQ mobileの販売戦略 格安SIMサービスを提供する事業者にはドコモ系のMVNO、au系のMVNO、ソフトバンクのワイモバイルが存在する。UQコミュニケーションズが運営するUQ mobileは、言わばKDDIお抱えのMVNOである。UQコミュニケーションズ 代表取締役社長の野坂章雄氏は、23日に都内で開催した記者説明会で事業戦略を語った。 自ら家電量販店を見て周ることも多いという野坂氏。店頭ではいまMVNO事業者とSIMフリー端末のセットが人気を集めているようで、その様子を見て「家電量販店が様変わりした」という感想を抱いたという。総務省の指導により、今春から「実質0円」や「キャッシュバック」をともなう販売が廃止となった。その影響で3大キャリアから格安SIMサービスへ、利用者のトレンドが移行しつつあるとみているという。 そのMVNO事業者間では、すでに激安競争が始まっている。そんななか、UQコミュニケーションズではどのような販売戦略を展開するのだろうか。同社が注目したのは「良さそうだけれど、実際に安心して使えるか」「周りと比較しても恥ずかしくないか」といった、格安SIMサービスへの乗り換えを躊躇する利用者の声。そこでUQ mobileでは、“本当に必要なものを必要なだけ、ただし高品質で提供する”、という方針を採用した。野坂氏は「プレミアムなコストパフォーマンスで心地よいスマホライフを、というコンセプトでシェア拡大を目指す。これまでの経験とブランド力を活かしていきたい」と説明し、今後の展開に期待を寄せた。■新サービス、新端末が続々 UQ mobileでは、通信料金やスマートフォンの端末代金がすべて込みで月額2,980円の「ぴったりプラン」を2月から提供している。この結果、女性ユーザーの比率が伸びたという。そこで7月28日からは、女性に優しい機能を満載したスマートフォン「DIGNO L」を提供開始する。女性の利用者をさらに伸ばしていきたい考えだ。