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目線を変えることで気づくリスク……もしも会社で被災したら?#02

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東日本大震災による揺れで外壁が崩れ落ちた築年数が古いビル。震災発生後、30分後にはすでに警察官が駆けつけ、交通整理を行っていた(撮影:防犯システム取材班)
  • 東日本大震災による揺れで外壁が崩れ落ちた築年数が古いビル。震災発生後、30分後にはすでに警察官が駆けつけ、交通整理を行っていた(撮影:防犯システム取材班)
  • 大きな揺れで瓦屋根が崩れ落ちた筆者の勤務先近くの家屋。幸いけが人はでなかったが、歩道が通れなくなったことで歩行者が車道に出るようになり、ちょっとした渋滞が起きていた(撮影:防犯システム取材班)
  • 通常時の筆者の視野をイメージした画角。通り慣れた道では、あまり頭上を意識することはない(撮影:防犯システム取材班)
  • 今回の記事作成のためにちょっと視点をずらしてみると、頭上には落下の可能性があるものが数多くあることに気づいた(撮影:防犯システム取材班)
  • 勤務先から北の丸公園に向かう道中に見つけた「東京都耐震マーク」。貼られていた施設は、都営地下鉄及び東京メトロの駅への出入り口で、一緒に海抜表記もあった(撮影:防犯システム取材班)
  • 道中のカラオケ店に貼られていた「災害時帰宅支援ステーション」を示すマーク。災害時には、トイレや水道を借りることができる施設の目安となる(撮影:防犯システム取材班)
  • 東日本大震災当日のファストフード店。販売業務は行われていなかったが、トイレの貸し出しを行い、多くの帰宅困難者をサポートした(撮影:防犯システム取材班)
  • 千代田区内の随所に設置されている「千代田区 総合防災案内板」。避難場所、トイレ、病院などの場所を日本語、英語、中国語、韓国語の表記で行っている(撮影:防犯システム取材班)
 また、こうした施設に関しては、「一時滞在施設」という形で、帰宅困難者向けに利用させるケースもある。主に駅や学校、オフィスビルなどが該当し、東京都防災ホームページで一部公開されている。ただし、災害発生時に「一時滞在」としてではなく、被災者が最初からそこを目指してしまうと収容キャパシティを超えてしまう恐れもあるため、事前に公表していないケースもある。そのため、十分な支援を受けられない可能性もあるので、「一時滞在施設」に関しては、他に行く場所がない時、大規模な余震があった時の一時避難の場所と考えておく方が得策だ。

●経路上にあるコンビニなどをチェック

 続いて確認したいのが、コンビニやカラオケ店などの店頭に貼られていた「災害時帰宅支援ステーション」のステッカー。実はこのステッカーを貼っている店舗は、帰宅困難者向けにトイレの貸し出しや、水道水の提供、各種道路情報の提供といったことを行うという、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市で構成される九都県市の防災協定に賛同した事業者ということになる。

 対象となる業種は、コンビニ、ファストフード、ファミリーレストラン、居酒屋、ガソリンスタンド、カラオケスペースなどで、被災状況によっては対応できないケースも出てくるだろうが、どの店舗が対応しているかを平常時のうちにチェックしておきたい。また、同一系列のチェーン店でも、ステッカーを貼ってないお店もあるので要注意。

 ちなみに東日本大震災の時には、まだこうした「災害時帰宅支援ステーション」の概念はなかったが、とあるたい焼き店では、帰宅困難者向けに商品のたい焼きを無料配布したり、ケータイショップでは充電設備の無償提供、コンビニやファストフード店の多くがトイレや水道の貸し出しを行っていた。そうしたことを踏まえるなら、避難ルートにどんなお店があるのかを平常時から把握しておくと、いざという時の安心度は高まる。

●他言語表示で重要施設を示した「総合防災案内板」

 最後は「千代田区 総合防災案内板」。すべての自治体でこうした取り組みをしているわけではないが、少なくとも千代田区では、日本語と英語表記をベースに、災害時退避場所、避難所、病院、公衆トイレ(別途だれでもトイレも記載)などの重要施設を示す凡例に関しては中国語、韓国語でも表記する街頭地図を区内の随所に設置している。被災後に困っている外国人などに遭遇したら、言語がわからなくてもこの地図まで案内するだけでも少なからず力になれるだろう。

 平常時ならスマホの地図アプリなどを利用していた人でも、災害後、連絡手段としてスマホなどの携帯端末の電力をとっておきたい時などにこうした地図は重宝する。

 このようにいざ歩いてみると、何気なく歩いている時には気づかないものがいろいろと見えてくる。もちろん災害の規模により想定外の事態が起きることは、東日本大震災や熊本地震でも明らかだが、あらかじめ知っておくことで得られる心の余裕は大きい。

 次回は、「外回り先・アフター5に被災したら?」という視点で、普段、あまり馴染みがない場所での避難シミュレーションをしていきたい。
《防犯システム取材班/小菅篤》
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