物理的なカギを持つことなくドアのカギを開けられるスマートロック。個人ニーズだけでなく、法人ニーズでもさまざまな取り組みが行われている。今回は、スマートロック「Qrio」を導入したシェアオフィスの実例を紹介しよう。 東京スカイツリーからほど近い、曳舟駅の駅前にそのシェアオフィス「synapse」はある。現在の入居人数は合計8人。今年2月にオープンしたという。代表を務めるのが齋藤浩一郎氏だ。「室内は4区画に区切ってあり、エリアごとに貸し出しを行っています。さらに自分のエリアを数人でシェアするのもありです」(齋藤氏) そうして、齋藤氏以外に2人の方がエリアを借り(うち1人が2エリアを借りている)、さらにそれぞれ複数人で利用しているため、「synapse」に出入りしているのは8人と言うことになる。齋藤氏は「synapse」を立ち上げるに当たって、Qrioの利用を考えていた。その理由が退去時のセキュリティだ。「シェアオフィスなので、人の出入りがあります。物理的なカギを渡してもいいんですが、退去時にカギを返してもらったとしても、合いカギを作っていないという保証はどこにもありません。とはいえ、ひとり退去する度にカギを変えるわけにもいかない。しかし、スマートロックならその心配もありません」(齋藤氏) まだオープンしたばかりのため、まだ退去された方はいない。物理的なカギは齋藤氏だけが所有しており、他のメンバーは全員Qrioアプリ上の権利を持っているだけだという。「スマートフォンの電池がギリギリで切れて、入れなくなって戻った方はいたらしいですが、他には特にトラブルはありません。みんな最初は戸惑いますが、問題なく使えています。自分個人としては最初は、カギを使って開けるのと変わらないと思っていたんです。ところが、鞄をビジネスバッグから、リュックサックに変えてから、スマートロックの便利さに気付きました。いちいちバックを開けてカギを出すより、手元にあるスマートフォンで開けられる方が早いですからね」(齋藤氏)
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