区民の約8割が共同住宅に居住しているという東京都新宿区。中高層マンションの割合が増加し、さらに超高層化も進むなか、震災対策として高層マンション特有の課題へ備える必要性が指摘されている。 具体的には電気・ガス・水道といったライフラインの停止による高層階の孤立や、エレベーターへの閉じ込めなどが挙げられる。また東日本大震災では、長周期地震動による大きな揺れで家具が転倒するなどの課題が浮き彫りになったという。 こうした状況を踏まえ、新宿区では中高層マンション向けの防災対策マニュアル「マンション防災 はじめの一歩」を作成し配布している。新宿区役所本庁舎4Fの危機管理課や新宿区立防災センター、各特別出張所で配布しているほか、区のWebサイトでもPDFファイルのダウンロードが可能だ。 マニュアルではマンション居住者に必要な自助の防災対策や、「自主防災組織」の立ち上げ方法と結成後の活動内容、マンションの「防災マニュアル」作成の支援(組織・構成員の役割等)などを紹介している。 また専門知識を持つ防災アドバイザーの派遣も行っており、マンションに必要な防災対策や「自主防災組織」の立ち上げなどについて、実践的な内容を助言してくれるという。派遣を希望する方は新宿区立防災センターまたは区役所危機管理課で受け付けている。