中小企業向けのコンサルティングなどを行うエフアンドエムの中小企業総合研究所が、2015年の年末賞与についての調査結果を発表した。 この調査は同社の中小企業向けサービスの会員企業を対象に行ったもので、全国1319企業が回答している。調査期間は10月1日から11月13日。 これによると、2015年末に賞与を支給する中小企業は81.4%で、前年から2.8ポイント増加。支給金額は昨年は「10万1円以上20万円以下」が最多だったが、今年は「20万1円以上30万円以下」が24%でもっとも多いゾーンとなっている。平均支給額も28万7337円と、前年から1万7878円増加している。10月30日発表の経団連調査では、大手企業の年末賞与の平均額が91万697円と前年比3.13%アップを記録しており、景気の上向きを感じさせるデータとなっていたが、中小企業でも景気回復の兆しが出ているといえるだろう。 地域別に見ていくと、平均支給額がもっとも高いのは近畿地方で31万6651円。31万5416円の首都圏が僅差で2位となっている。業種別平均では製造業が32万5120円でトップ。前年からの増加額も4万9694円と大きくアップした。次いで卸売業(31万3000円)、建設業(30万1612円)と続いている。 全体として賞与額は増加傾向にあるが、不動産業とサービス業に関しては昨年から減少している。特に不動産業は調査母数が少ないものの、昨年が39万7143円と平均を大きく上回る水準だったのが、今年は28万7273円と10万円以上下落する結果となっている。