実際に使ってみると、いとも手軽にiPhoneの写真やドキュメントを大画面に映せるので大変便利だ。別途アプリやドライバーをインストールする必要もないので、アダプターを経由してLightning接続した瞬間に映像が映し出せる。投射距離は最短15.2cmで6インチから、最長約1.5mで60インチまでの画面を映せる。 iPadやタブレットなど、スマホよりも少し画面サイズが大きいデバイスを使ってプレゼンをしたとしても、同時に画面が見られるのはせいぜい数名。しかも画面はプレゼン相手に向けなければならないので、本人は画面が見づらくなってしまうので、どうしてもプレゼンに集中するのは難しかった。プロジェクターで画面を投射できれば、より多くのクライアントに相対した場合でもよりスマートにプレゼンテーションができるのではないだろうか。■課題も発見。台形歪み補正は非対応 ポケット・プロジェクターの便利さを実感する反面、「モバイルシネマi60」については使っていていくつかの課題も見つかった。 まず、フォーカス調整以外に画面の微調整がしづらいこと。本体の設定メニューには、映像のアスペクト比を4対3の2モード、あるいは16対9から選べる項目は設けられているのだが、例えば画面のズーミングやサイズを調整した場合はプロジェクター本体とスクリーンとの間の距離を、プロジェクターを手で持って前後に移動するほかにない。 また、プレゼンの環境によっては、スクリーンに対してプロジェクターを真正面に向けて置けない場合も考えられるだろう。そんな時には画面縦横の台形歪み補正や、レンズをシフトさせて投射される映像の縦横位置を微調整する機能もほしいが、現状はプロジェクターの置き方は“手動”で工夫する必要がある。 もう一点は、本体の上部にiPhone 6を格好良く置いて固定できるのだが、画面を回転させて横置きレイアウトの資料や写真をプレゼンしたい場合には、装着したままの状態だと画面が縦置きに表示されてしまうので、一度iPhoneを取り外してから画面を回転させなければならない。 次世代機での進化を求めるなら、例えばiPhoneを設置する側の台座がiPhoneを装着したまま90度回転できるようになると使い勝手が向上するだろう。なお、プロジェクターにぴったりドッキングできるのはiPhone 6だけだが、それを気にしなければLightning接続ができるiPhoneやiPadならいずれのモデルも組み合わせて使えるということを補足しておきたい。 バッテリーの連続稼働時間はプロジェクターモードで最大約120分。約3時間でフル充電になる。ポータブルバッテリーの機能も付いているので、プロジェクター本体の側面に設けられているUSB-A端子にiPhoneを付属のケーブルでつなげば充電もできるの嬉しいオプション機能がある。 実際に使ってみると、iPhone用のモバイル・プロジェクターには、まだ進化の余地が残されているとはいえ、スマートなプレゼンテーションのサポートツールとして十分に魅力があることを実感させられた。仕事帰りに行きつけのバーで写真を披露したり、ホームパーティーにも活用すればトークに花が咲くだろう。 「モバイルシネマi60」は本体にHDMI入力が付いているので、iPhoneだけでなくノートPCと組み合わせることもできる。あるいはBDプレーヤーなどに組み合わせれば簡易なホームシアターにもなる。ユーザーの工夫次第でいろいろな使い方が広がりそうだ。