RBB TODAYのブロードバンドアワード2014において、ケイ・オプティコムの「eo(イオ)光」がキャリア部門「ベストキャリア」「サポート」「長期利用率No.1」の近畿地域における最優秀賞に輝くとともに、「eo光テレビ」のテレビ部門 ベストテレビサービス 西日本地域の最優秀賞も獲得。また、ブロードバンドアワード2014<法人版>では、回線満足度部門において「オフィスeo光」が最優秀賞を受賞した。ケイ・オプティコムの代表取締役社長 藤野隆雄氏にビジネスの近況と今後の戦略を訊ねた。■今年度中にはコンシューマー向け光回線「上下10Gbps」の高速通信サービスを投入――この一年間のビジネスの手応えについて、どう感じていますか?藤野氏:昨年の6月に光回線150万契約を突破するという大きな節目を迎えました。昨年度末時点では153万契約にまで伸ばすことができましたが、直近での伸び方を見ていると、やはり関西全体の普及率が50%を超えたここ1~2年からは若干の飽和感も表れています。当社は純増という意味では伸び続けているので、このまま右肩上がりの成長を持続していきたいと考えています。――昨年のネットワーク市場全体、あるいはケイ・オプティコムの業績を振り返ってみてどのような印象をお持ちですか?藤野氏:法人を含めると、市場全体が以前の主流だった「ギャランティタイプ」から「ベストエフォートタイプ」にシフトして、より低価格化が進んでいます。一般コンシューマーは元々ベストエフォートタイプで、スピードも100Mbpsでしたが、今は過半数が1Gbpsにシフトし「安さ」よりも「速さ」を求める傾向にあります。一方で法人契約は回線数が明らかに増えていて、例えば銀行のATMやその信頼性を向上するためのバックアップ回線を設置するニーズも高まっています。――コンシューマーは1Gbps以上の高速化も視野に入ってきたのでしょうか?藤野氏:はい。今年度中には上り・下りの双方向で10Gbpsの高速サービスをローンチする予定です。時期についはまだ明確にはお知らせできませんが、日本初のタイミングでサービスが提供できるよう準備しています。携帯電話がLTEになって150Mbps以上の高速通信サービスが普及しはじめてから、LTEが光回線のスピードに追いついたという向きもありますが、そんなことはありません。やはり光の方が断然に速いという実感を、10Gbpsを世に送り出すことでアピールしていきたいと思っています。――固定回線はケイ・オプティコムのサービスが関西地域で大きなシェアを獲得しているとうかがいます藤野氏:戸建てはNTTと対等に勝負ができていますが、集合住宅やアパートでのシェアはまだ10数%程度です。全部平均したシェアでは1/3ぐらいではないかと思います。集合住宅への展開は様々な手続きが難しくコストもかかるため、これからの課題として受け止めています。――総務省が通信サービスの速度表記について理論値だけでなく、実測値を表記するべきという指針を示していますが、どうお考えですか?藤野氏:固定回線についてもプロバイダーで制限がかけられるということも起こり得ますので、不当な表示を無くしていくという観点からは、確かに実測値の公開も必要だと考えます。今後、実測値での表記が標準になれば当社も従っていく方針です。一方では実測値による新たなルール作りもまた難しい課題になるのではないでしょうか。