観光庁は30日、旅行・観光消費動向調査で2014年における年間値の確定値を発表。国内旅行の延べ旅行者数は前年比5.7%減の5億9522万人、国内旅行消費額は前年比8.1%減の18.5兆円だった。 延べ旅行者数と消費額を過去5年の推移で見てみると、どちらもほぼ横ばいからじわりと減少傾向にあることがわかる。一方で好調なのは訪日外国人旅行の市場だ。 3月発表の訪日外国人消費動向調査における2014年の年間値の確報では、訪日外国人客数は前年比29.4%増の1341万3467人、旅行消費額も前年比43.1%増の2兆278億円。1人あたりの旅行支出は前年比10.6%の15万1174円と、いずれも前年を大きく上回っている。 訪日外国人の客数と消費額を過去5年の推移で見てみると、東日本大震災に見舞われた11年は大きく落ち込んだものの、その後はどちらも右肩上がりの大きな伸びを示している。 規模そのものは国内旅行市場のほうが大きいものの、訪日外国人旅行の市場拡大は著しく、2020年に東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えていることを考慮すると、今後も市場成長が見込まれる。観光関連ビジネスにおいて、顧客ターゲットを訪日外国人へも広げることが得策であることは、こうした客観的なデータを見ても明らかだ。