2011年に米国で開催されたハッカーの祭典を事例に挙げ、ここでは糖尿病を抱える参加者(ハッカー)が、自ら使っている埋め込み型のインスリンポンプの無線通信が容易にハッキングでき、遠方からインスリン投与量を自在に制御できることを示して話題を呼んだという。 すなわち、通信を伴う医療機器が万が一ハッキングされると、通信を通じた“殺人”さえ可能になってしまう懸念があるという。2013年6月には、米FDAは医療機器へのサイバー攻撃の防止に本腰を入れるよう医療機器メーカーや院内ネットワークベンダーに勧告を出したという。■わが国のヘルスケアデータの管理をどうするのか この学術大会およびシンポジウムでは、2日間でシンポジウム・企画セッションに24演題、一般発表では計29演題もの講演や研究発表が行われた。医療やヘルスケア分野におけるICTの利活用、とくに今年は「ウェアラブル」や「IoT」「ビッグデータ」などのキーワードを多数見かけた。 同時に「セキュリティ」や「法解釈」などといった話題も散見。さらにソフトバンクロボティクスのPepperの実機が壇上に上がり、活用事例が報告されたり、次世代の人工知能ともいうべき「コグニティブ・コンピューティング」の医療分野のへの活用といった講演も繰り広げられた。 それらをすべて紹介することができないが、学術大会の締めくくりとして、今後のITヘルスケア学会が目指す一つの方向性が示された。
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