ケイ・オプティコムがサービス展開するMVNO(=Mobile Virtual Network Operator、仮想移動体通信事業者)の「mineo」(マイネオ)に、2014年12月24日から京セラ製の新端末「LUCE」(ルーチェ)が登場。今回は、昨今のMVNO事情と、この新端末「LUCE」のインプレッションをお届けする。■格安スマホこそがMVNOの火付け役 昨今、いわゆる「格安SIM」や、それと同時に購入できる「格安スマホ」がブームだ。これらは、既存の移動体通信事業者(NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイル等)からネットワークを借りて独自ブランドで展開するMVNO(=Mobile Virtual Network Operator、仮想移動体通信事業者)によるサービスで、航空業界で例えれば大手航空会社に対する、LCC(格安航空会社)のようなもの。 MVNOはすでに国内で100社以上あるといわれているが、とくに近年になってMVNOが注目されるようになったのは、スマートフォン(以下、スマホ)が普及すると同時に、毎月支払う通信料金の負担が大きくなってきたことが要因の一つ目である。 スマホのパケット通信料は従来の携帯電話のパケット通信料よりも元々高めに設定されていた。携帯電話からスマホに買い換えると、平均的に毎月の通信料金が2千円程度高くなっているはずだ。さらに2014年には、大手3事業者が通話料金定額の新料金プランに移行していったが、ベースとなる基本使用料が従来より高額になってしまう上に、パケット通信料が段階的に設定され、実質的に従量課金ともいえるものになってしまった。 このため通話をあまりせず、一方でデータ通信を主体に使ってきたユーザーにとっては、ますます通信料の負担が大きくのしかかるようになってきた。こうした背景があって、データ通信を主体的に使うユーザーを中心にMVNOの提供する格安SIMが注目されるようになってきたのだ。 そしてMVNOが注目され出した要因の二つ目が、MVNO自ら端末メーカーと組んで、「格安スマホ」を販売するようになったこと。わが国では長らく端末と回線を同時に購入(契約)するという慣習が根強く、SIMカード(回線)のみを主体に扱ってきたMVNOのビジネスモデルはなかなか一般のユーザーに受け入れられなかった。 そんな中、MVNO自ら端末を用意し、SIMカードとセットで販売するケースが増えてきたことで、ようやく一般のユーザーにも、MVNOを使ってみようという流れが出てきたのである。そもそも、より安価にスマホを使いたいというユーザー層が利用するMVNOだからこそ、セット販売されるスマホもフルスペックの高級機ではなく、機能を最小限に抑えたベーシック機のほうが人気が高いようだ。
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