■一般ユーザーのモチベーションを刺激する仕掛けを期待 記者からは今後のFirefox OSのサービスに関するプランを訊ねる声も上がった。田中社長はこれに対し、「まずポータルサイトを立ち上げて、いろいろなアプリケーションがそこに上がってくるはず。まだ端末は1機種しかないが、反響が良ければ第2・第3のステップに踏み出していけるだろう。今の時点で会社も好調だから“新しい自由”のために今回の挑戦ができたと考えている。発表イベントをやってみて、私は今後もさらに楽しくやっていきたいという思いを強くしている」と述べた。 アップデートによる機能追加についても前向きであると田中氏は答える。「まだまだFirefox OSには足りないものがある。引き続き当社のギークな社員と一緒に盛り上げていく」として、精力的に行っていく考えを示した。一方で、アプリの開発などについてはアマチュアプログラマーなど外部の“ギークな人々”の自発的な参加を促すとし、参加者がアプリ開発で収入を得られるような仕組みについてKDDIが働きかけるような考えは今のところないという持論を展開した。 また田中社長は、「一緒にFirefox OSをやってくれている方々はお金儲けをあまり考えていない、オープンプラットフォームの可能性に共感してくれている人だと感じている。皆、モバイルを起点にたくさんのデバイスがつながって、世界が変わるという手応えを得ているのではないだろうか」と期待を込めてコメントしながら、今後については「KDDIとしてもまだまだ汗をかきながらやらなければならないことが多くあると思っている。その先にあるビジネスの可能性はきっと大きいはず。私たちが今すべきことは、目先の活動をマネタイズするための方策を練ることではなく、より先の未来を見ながら“つくる喜び”を突き動かしていくことだと真面目に思っている」とした。 確かにオープンプラットフォームだからこそ、モバイルとエレクトロニクスを今よりもっと有機的につなげていく可能性は十分にある。しかしながら、モバイルに限らず音楽や映画など、万のコンテンツはつくることを楽しむ人々よりも、受け身で楽しみたいという人の方が圧倒的多数だ。 ギークな人々だけでなく、一般の人々がFirefox OSのプラットフォームに関心を持って“つくる喜び”をシェアするようになるまでには、プラットフォーム上で自分のつくったアプリを公開して販売できるようになるなど、さまざまな形でモチベーションを刺激するための仕掛けが必要になるはずだ。例えばアプリやサービスの開発に貢献した参加者に向けて、KDDIが懸賞付きのコンテストやイベントの機会を提供するのは良いことだし、意義のある活動だと思う。とはいえ、まずは無事国内初のFirefox OSが発表されたことを祝福しつつ、次の展開にも注目していきたい。
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