エプソンが大々的に展示をしていたのは両眼式のスマートグラス「MOVERIO」だ。CEATECの会場では業務用スマートグラスとしての機能をアピールしていた。 MOVERIOは、コンシューマユースでは映画の視聴やエンターテインメントでの利用などを訴求しているが、今後は業務用にもニーズやユースケースはあるとして、多数のMOVERIOを展示し、来場者が体験できるようになっていた。 来場者は、未完成のルービックキューブを持ってMOVERIOを装着する。次にアプリ(作業)を選び、ARマーカー(イラストを描いたボード)を読み取る。するとルービックキューブを完成させるのに、次はどこを動かせばよいかスマートグラスにグラフィック表示してくれるというデモを体験する。 このようなARを利用した作業支援は、スマートグラスのB向け事例の典型的な例といえるだろう。エプソンでは、倉庫で商品のある棚やしまう場所などをスマートグラスを通じてガイドするという実証実験を行っている。他にも古墳や遺跡のガイドに応用すると、説明文だけでなく当時の建物をARで再現したりもしている。オペラや映画の劇場での字幕もこれで対応できるという。 MOVERIOはWi-Fi経由でインターネットや外部のネットワークにアクセスする。これにより、業務支援ツールとして利用する場合、クラウド上、イントラネット上のデータにアクセスすることも可能だが、本体内のFlashメモリか外付けのSSDで処理を完結できるなら、ネットワークに接続しないスタンドアローン環境でも問題ない。