iPhone 6/6 Plus(iOS 8)のホーム画面を見ると、これまでのiOSになかった新たなアプリ「ヘルスケア」の存在に気がつかれた方も多いだろう。 iOSに標準で搭載される、いわゆる「標準アプリ」はすでにホーム画面に収まらないほどの数になっており、2ページ目にアイコンが並んでいるものもある。しかし、今回新たに追加された「ヘルスケア」アプリは、あえてホーム画面に置かれている。それほどアップルはこのアプリを重視していることになるが、アップルのヘルスケアビジネスへの真剣度は歓迎するとして、これ自体がヘルスケアに関連する各種アプリや健康管理デバイスのポータル(玄関)となることで、ITを用いたヘルスケア・健康関連サービスが大きく変わる可能性も秘めているのではないかとみた。■大幅に拡張の自由度が増したiOS 8 iPhone 6/6 Plus、そしてiOS 8を使い始めて数日が経った。iOS 8では、過去のiOSとは比べものにならないほどの新API(アプリプログラミングの際に使用できる機能)が増えている。たとえば、文字入力ソフトウェアはこれまでiOSに標準で組み込まれたものしか利用できなかったが、iOS 8からは、サードパーティが作る文字入力ソフトウェアを選択することが可能となった。すでに、手書き認識エンジンで定評のあった「mazec」や、Baidu Japanの日本語文字入力アプリ「Simeji」などの提供が始まっている。 さらに、アプリ同士の連携、すなわちアプリと別のアプリが連携できるようなシステム拡張も行われている。 なかでも、筆者はiOS 8で新たに搭載された標準アプリである「ヘルスケア」の可能性に注目している。iOS 8では「HealthKit」というツール(API)が用意され、健康に関わるあらゆるデータをiOSに連携できるようにしている。HealthKitを利用したアプリケーションを開発し、たとえばウェアラブルデバイス等で生体情報を収集し、iPhone等に情報を蓄積できるようなアプリを作ることもできれば、逆にiPhone等に蓄積されているヘルスケア情報を活用できるアプリの開発も可能のようである。
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