孫氏は「これからは個人でもロボットが購入できる時代」だと強調しながら、パーソナル・ロボットの時代がやってくるとコメント。「人々の感情を認識できるロボットが、これから人間の様々な生活シーンでともに働く時代になるだろう。今から50年以内にはありとあらゆる生活シーンでロボットが活躍しているはず。ロボットに智恵を与えて、汎用的に活動できる能力を与えることで、日本はもう一度世界最先端の生産技術も手に入れられるだろう」 スピーチの壇上に立ったPepperは、動物の鳴き声でベートーベンの「第9」を演奏するアプリ「動物楽団」による演奏を披露。今後ソフトバンクではPepper向けのロボットアプリの開発にも力を入れていく。「9月にはPepperのデベロッパー向けカンファレンスを開催する。ロボットにどんな行為をさせたいか、読み聞かせやダンスのコーチングなど様々なアプリが増えてくるはず」(孫氏) 孫氏は壇上にて「結論として、日本は復活できる、復活してみせるという方程式を私はつくりあげられると信じている。みなさんと一緒に日本を元気にしたい」と述べ、スピーチを結んだ。■アリババのマー氏は具体的なビジネス戦略については触れず ソフトバンクが出資する中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディングから、会長 兼 CEOのジャック・マー氏も、孫氏に続く基調講演に登壇した。 アリババ・グループが現在、米国株式市場での上場に備えていることもあり、マー氏からはこの日の講演で具体的なビジネスの話は出ることがなかった。代わりにマー氏は、起業からこれまで一貫して掲げてきたビジネス哲学を展開。「ビジネスは常に10年先を捉えながら、現在よりも将来はもっと良くなることを信じて進むことが大事。顧客の不満を解消できれば、自らのチャンスになる。すぐに行動を起こすことが一番大事だ」と述べながら、ビジネスの原点に立って顧客目線での経営を徹底することがビジネスの成功につながると強調した。■「広告の民主化」をヤフーが牽引する 続いてヤフーの代表取締役社長である宮坂学氏が壇上に上がり、同社のWebを活用した最先端の情報ビジネスをアピールした。 宮坂氏はWebでの広告展開について、ユーザーの接触時間を長引かせることで販売チャンスを高めることが大事としながら、具体的にはテキスト情報に動画を効果的に加えることと、3Dデータの活用が活路になると説いた。さらに「ビッグデータを活用することで、今後はピンポイントでタイミング良く広告が打てるようになる。精度を上げながら顧客へ情報がリーチできるということは、中小規模の企業でも広告から大きな成果が得られるようになるということ」とし、「広告の民主化」が進むことでインターネット広告のメリットが高まると述べ、ヤフーがこれをリードしていくと宣言した。