6月10日にポータブルSIMのプレス発表を行い、Mobile Asia Expoに出展して以降の反響についても、照沼氏は「非常に良い手応えを感じている」と語る。「業界関係者の方々からは、一つのSIMで複数の端末が使えるようになると、回線が減るのではないかという指摘もいただきます。ある側面から見れば確かにそうかもしれません。ドコモとしては本機を試作する上で、GSMアソシエーション(世界の移動体通信事業者や関連企業からなる業界団体)の方々と綿密なディスカッションも重ねてきましたが、当技術によってより広い視野でモバイルの発展を促したいという考え方を持っていて、この当社の姿勢に興味を持って、支持を表明いただく声も多く頂戴しています。発展的な側面の一例として、ユーザーが使う“デバイスの数”がより増えるかもしれません。また、これまでは搭載されているのに眠っていたモバイル機器のネットワーク機能が、ポータブルSIMの手軽な使い勝手に刺激されて目を覚ます可能性もあるはずです。利便性が高まれば、一人あたりのユーザーがデータを使用する量が増えることも期待できます。ビジネスモデルの作り方次第で、よりポジティブな成長方向に展開していけるはずです」と照沼氏は意気込む。