日本放送協会(NHK)は25日、 “クルムス蛍光体”を用いた白色LED照明器具を、小糸製作所と共同開発したことを発表した。まぶしさを低減し、目に優しいのが特徴とのこと。 NHKでは現在、テレビ番組の制作現場において、省エネルギー光源として白色LED照明器具の導入を進めているが、 一部出演者から「光源が視界に入るとまぶしく感じる」という意見が寄せられていた。“クルムス蛍光体”を用いた白色LEDは、従来の白色LEDと比べてフラットな分光スペクトル特性をもっており、まぶしさを低減することが可能だという。“クルムス蛍光体”は、紫色光を吸収し、黄色に発光する蛍光体で、2012年に小糸製作所、東京工業大学、名古屋大学が開発した。 今回、スタジオでキャスターを照らす「キャスターライト」と、ロケや中継で使用する「ソフトライト」の2種類の照明器具を試作。従来型の白色LED照明器具との比較評価を実施したところ、約9割から「試作品はまぶしくない」との回答を得たとのこと。また演色性(物体を照射したときの色の再現性)にも優れているという。 試作品は、5月25日放送予定のNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』(第21話・官兵衛幽閉シーン)の収録でも使用されており、今後は番組での試用などを重ね、最適化を図っていく予定だ。