一般社団法人電気通信事業者協会(TCA)は、「やめましょう、歩きスマホ。」啓発キャンペーンを展開している。23日から大阪で、25日から東京で鉄道の駅自動改札機にステッカーを貼付、「やめましょう、歩きスマホ。」と呼びかけている。 携帯電話・PHS事業者各社は、従来から自動車・自転車運転中や電車・映画館など公共の場所での携帯電話・PHS使用時のルール・マナーの啓発に取り組んできた。運転中の携帯電話の禁止は法制化され、公共の場所でのマナー向上活動は多くの人が認知していることだろう。 最近は、スマートフォンの利用の普及が進むにつれて、「歩きスマホ」が問題になってきた。コンテンツが増えるにつれ、スマホ画面を見ながら歩く例が増えてきたのだ。画面に集中する分、周囲への注意はおろそかになり、他者と接触したり、自動車にはねられそうになったり、あるいは駅のホームから線路内に転落したりする危険が増えてきた。すでにウィキペディアではページが作成されているほどだ。 そこでTCAでは、事業者共通の「やめましょう、歩きスマホ。」ロゴマークを制定するとともに、共同キャンペーンを実施し、より安全・快適に携帯電話・PHSを利用するよう幅広く呼びかけることにした。共同キャンペーンでは、啓発ステッカーを貼付し、ポスターを掲出する。シンボルデザインは、スマホ画面に足跡。黄色と黒の色使いが注意をひく。 啓発ステッカーは駅自動改札機に貼付される。鉄道の駅には多くの人が集まり、また通勤・通学で人が定期的に通過する場所でもあり、しかも「歩きスマホ」が重大な事故に発展する可能性の高い場所だ。ホームからの転落事故について国土交通省が統計をとっており、2011年度は転落人数3243人、2012年度は3271人。そしてスマホ・携帯電話使用中の転落はそれぞれ18人、19人だ。割合はどちらも0.6%と小さいが、項目として分類されるだけの存在感はあるのだ。啓発ステッカーの貼付場所として駅は至極妥当だといえる。 実は自動改札機に貼付した理由として、もうひとつ大きいものがある。「さすがに自動改札機を『歩きスマホ』で通過する人はいないでしょう」(TCA担当者)。そして改札機以外では、より大きなポスターを掲出して、視界に入りやすくするというわけだ。啓発ステッカー貼付●場所:東京山手線エリア内の36駅(山手線の29駅と山手線内の中央・総武線の7駅)、大阪環状線19の駅。自動改札機にステッカーを貼付。●掲出期間東京:1月25日(土)~31日(金)大阪:1月23日(木)~29日(水)ポスター制作・掲出依頼●場所:全国の大学、交通機関(電鉄各社)、自治体などへ掲出を依頼。●掲出時期:1月下旬~2月●作成枚数:約2000枚
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