1996年のTVシリーズ放送開始から17年もの歴史をもつロングヒットアニメ『名探偵コナン』の劇場版4作品とベイビー・コナンが登場する『青山剛昌短編集』がキッズステーションの冬休み特別編成内で放送される。『名探偵コナン』シリーズで、物語の要の1人であり、娘のような、姉のような、母のような、恋人のような、さまざまな表情をもつ明るく元気なヒロイン・毛利蘭を演じる山崎和佳奈さんに『名探偵コナン』との関わりや想いについてお話しいただいた。[インタビュー取材・構成:川俣綾加]―アニメ!アニメ!(以下、AA)毛利蘭役に決まった時のキャラクターの印象について教えてください。―山崎和佳奈さん(以下、山崎)コナンはすごく楽しい王道エンタテイメントな作品です。高校生探偵で幼なじみの工藤新一やダメ探偵だけど愛すべき父親の毛利小五郎のような、少し浮世離れした登場人物の中、蘭ちゃんはごくごく普通の女の子で、常識的な感覚をもっています。何か事件が起きたら、「そんなのひどい!かわいそう!」と素直に泣ける。殺人事件が起こる作品の中でとっても日常を代表する女の子だなと思いました。その印象は今も同じです。―AA母のかわりに家事を担ったり、新一がいなくなったりと案外大変そうな気もしますが。―山崎どちらかというと能天気な子なので、「お母さんがいなくてどうしよう」と悩んだり、「おしん」みたいに一生懸命やって苦労を抱え込んだりするタイプでもないんです。遊びたい時に遊んで、家事も嫌々やっているわけでもなく、「しょうがないわね!」という感じ。新一がいないのは寂しいと思いつつも、意外に忘れてるんじゃないかな。そこで落ち込まないのは生活を楽しめているから。いわゆる“若さの特権”というか、きっと高校生くらいの時期ってそんな感じなのかもしれません。―AA普通の女の子である蘭が、得意の空手で敵を倒したりと実は強い子だったりするのも意外で面白いですよね。―山崎それは武闘家の特徴で、頭で考えるよりも体が勝手に動いてしまう、そういう訓練がされているんだと思います。自分が動かないと誰かが危ないという時に、「キャー!」と悲鳴をあげて顔を覆ってしまうのではなく、スッと助けられる。それは空手をやっている蘭ちゃんならではなんじゃないかな。―AA役になりきるため山崎さんご自身も武道を習われたとか?―山崎習っていたのとは少し違います。友達の友達が極真カラテの道場を開いていて、「型だけを教えるクラスを始めたい、そのためにまずは何人か集めたい」ということで気軽な気持ちで初めてみました。でも、日曜の早朝からやるクラスで(笑)。あとは、いくら型だけとはいえ帯の色を上げていくには昇級審査があるんです。その審査を受けるには試合をしないといけないので、それは避けたいなと思いました。やっぱり、カラテは戦ってなんぼだったんですね(笑)―AA蘭を演じる上では役に立ちそうなイメージですが。―山崎もしかしたら役に立つところもあるかもしれませんが、実際の試合ではそれほど声を出していないんです。気合いを入れる時には出しますけど。でも、最近の蘭ちゃんの戦い方は空手を超越している気も……。「名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)」でもかなりアクロバティックな戦い方をしていて、あれはもう空手を超えています!(笑)―AA長いこと一つの役を続けていると、「役が生活の一部になる」とおっしゃっていましたがそれはどういう感じですか?―山崎基本的に毎週アフレコで役を演じるので、いつもどこかに蘭がいるみたいな気分です。もう一つは、だいぶ前になりますが、警察向けのドラマ仕立てのVTRに出演したことがあるんですが、そこにいらっしゃった監修の警察官の方を見て、すごく顔なじみのような感覚がおこりました。「お父さん(小五郎)が昔警視庁にいたから」とか、「目暮警部ともこの間会ったし」とか、警察が昔から知っている組織のような気がして妙に懐かしくなったんです。私自身に警察官の知り合いなんて一人もいないんですけどね(笑)― AA蘭に対しては、「娘のよう」「姉のよう」というより、同じ目線ということでしょうか。―山崎そうですね。娘のようだと思ったりはしません。やっぱり「自分」なんだと思います。―AAそうなると、コナンや新一に女性の影があると自分の気持ちも変化しますか?―山崎コナン君は私や蘭ちゃんにとって新一と同一人物ではなく、家族であり、弟みたいなものなので、「コナン君ったら、哀ちゃんと歩美ちゃんどっちが好きなのかな♪」みたいな、見守るような気持ちです(笑)。でも、新一に女性の影があったら私もムッとしちゃうのかもしれません。―AAコナンに対しては、まさに“お姉ちゃん”なんですね。―山崎それが最近では、お姉ちゃん目線からだんだん母親目線になってきています(笑)。新一にすごく似ているのもあって、蘭と新一の間に生まれた子供のような……私の中では、です。―AAアフレコの様子はいかがですか。―山崎なんとなくですが、スタジオでは座る席が決まっています。カフェに行って気に入ったらまた同じ席に座っちゃうみたいな感覚で。長く座っているうちになんとなくこの席、と決まってしまいました。一番マイクに近くて立ちやすい席は高山みなみさん、その隣に私、さらにその隣に小山力也さん。すごく広いスタジオなのに貧乏家族が寄り添っているみたいにかたまって座っています(笑)。これが歩美ちゃん・光彦くん・元太くんが出る回だとまた違っているみたいです。―AA劇場版ではゲストキャストもいて何か違い、心境の変化などありますか?―山崎ゲストの方が参加するというのもありますし、同時に『名探偵コナン』に出演しているコナンファミリーが全て揃う、オールキャストなのが劇場版。TV版だと出演回じゃないと会えないので、同窓会みたいな気分です。それがすごく楽しくて、「やるぞ!」という気持ちになれます。ゲストキャストの方で声優でない方は別録りすることもありますが、一緒にアフレコする場合は「コナンに出て楽しかった」と思ってもらえる現場づくりをするよう、気をつけています。やっぱり気持ちよくお仕事して頂きたいですし、気持ちよく殺人をして頂いて、気持ちよく捕まって頂けるように!(笑) みんなで「お・も・て・なし」です。高山みなみさんもコナンファミリーの座長として、とても気配りされています。―AA山崎さんの思う、『名探偵コナン』の魅力とは?―山崎原作を読んで、どのキャラクターもすごく立っていて、ダメなところもあるけれど人間的で素敵な人たちばかりだと思いました。小五郎はダメなお父さんなのになぜか憎めない。新一も推理オタクで頭脳派、正義感が強いけどどこか抜けていて。歩美ちゃんは可愛くて、光彦くんも元太くんもいい子たち。最初は打ち解なかった哀ちゃんも今は子供達になじんでいるし、阿笠博士も天才科学者なのに案外うっかり。でも、そういう人間模様がとてもあたたかくて、殺伐とした事件があってもほっとできる何かがある作品です。そういうところが好きですね。―AA最後に、メッセージをお願いします。―山崎キッズステーションの年末年始一挙放送では、カラーが全く異なる劇場版4作品が放送され、どれも子供から大人まで、おじいちゃん・おばあちゃんも家族みんなで楽しめるようになっています。どの作品も雰囲気がガラリと違って、演じる側も楽しみながらやっていて、きっと作品からも感じ取れるのではないでしょうか。各作品の推理や事件もそれぞれ違った面白さがあるので、是非ご覧ください!―AAありがとうございました!
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