富士通研究所では、ドライバーを見守る眠気検知技術をCEATECで紹介している。これはクリップ型の脈拍センサーを耳に装着し、無線モジュール(bluetooth)でスマートフォンにデータを送って解析することで、ドライバーの眠気を監視できる技術だ。 もしドライバーが運転中に眠くなったら「休憩してください」というような音声メッセージで警告を促し、事故を防止できるという。また監視センターにデータを送って、眠気の状況をレポーティングすることも可能だ。 ドライバーの眠気については、脈拍信号から心拍の間隔を求め、心拍の揺らぎの時間推移を周波数解析することで、リアルタイムに分かる仕組み。解析ソフトは、あらかじめスマートフォンにインストールしておく。FFTアナライザーのような機能があり、周波数を分析するそうだ。 「このデータを車両と連携できれば、ドライバーが眠くなったときにシートベルトを締め付けたり、ハンドルを振動させて警告することも可能になるでしょう」(富士通研究所の担当者)。 この技術を逆に応用すれば、ハザードマップもつくれる。運転中の心拍数の上昇を計測し、さらにドライブレコーダーを連携することによって、注意箇所を可視化できるからだ。 また眠気が出たときに警告するだけでなく、眠気そのものを減らすアプローチもある。もちろん眠気が起きるのは睡眠があまり取れていないため。そこで眠気検知センサーと睡眠センサーも参考出展していた。 非接触型の睡眠センサーは、ベッドの横に置くだけで、睡眠時間を手軽に計測できる点がウリだ。微弱な電波を体に当てて反射した電波を拾うことで、心拍と呼吸を測定する。一般的には振動を検出する方式が用いられるが、こちらは振動に加えて心拍と呼吸も測定するため、より高い精度を実現できるそうだ。睡眠が十分に取れていないときは、できるだけゆっくり休むようにアドバイスし、眠気自体を減らす提案をしていきたいという。 いま本技術の実証実験を行なっているところで、センサーやアルゴリズムのブラッシュアップを図りながら、商品化も狙っていく方針だ。