iPhoneの新シリーズ「iPhone 5s」「iPhone 5c」が正式に発表された。すでに主要メディアがその概要を報じているところだが、中でも話題になっているのは「NTTドコモでも取扱いを始める」という点であろう。9月20日から全国の主要ドコモ取扱店で販売が開始され、これによりわが国の主要3キャリアでiPhoneを利用することができるようになる。今さらNTTドコモが取り扱うことに意味があるのか、加入者離れを食い止める有効策となるのかといった話題が散見される。 NTTドコモによるiPhone取扱によって、わが国のモバイルサービス競争環境、さらにスマートフォン活用環境にどのような変化が起きてくるのだろうか。 同型でサービス内容も基本的に遜色がない端末が各通信キャリアで販売されるということは、ユーザーにとって比較対象となるのは「通信品質」とその「利用料金」のバランスだ。この2点に関しては、今後各通信キャリア同士、ますます競争が激化していくことが想定される。 まず通信料金に関してだが、じつは本稿を執筆している時点(11日午後)で、各通信キャリアのiPhone 5cの予約受付日時は公表されたものの、利用料金や販売価格が未定となったままだ。通信キャリア同士、お互いに他社の手の内を探りながらギリギリのところまで検討を続けるということなのだろう。じつは現行モデルのiPhone 5発売時もソフトバンクとKDDIの絶妙な駆け引きが演じられた。ソフトバンクが料金プラン等を発表後、KDDIは同額のパケット定額通信料ながらテザリングを解禁することで優位性をアピールし差別化を図ろうとした。ソフトバンクはこのあと苦渋の決断を下し、テザリングを追従したという経緯がある。
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