通信品質に関しては各通信キャリアに割り当てられた周波数帯域と、それら帯域の中で運用されている通信方式、および加入者数(データ通信を利用するユーザー数)に左右される。今回わが国で市販される新型iPhoneでは、新たに800MHz帯のLTE方式をサポートすることが判明し、NTTドコモとKDDIがその恩恵を受けることになったものの、両通信キャリアが展開している1.5GHz帯のLTE方式には対応しないことも分かった。800MHz帯のLTE方式ではKDDIがエリア、通信速度で有利とされているが、これはその周波数と通信方式に対応したスマートフォンを利用しているユーザー数が少ないからであり、新型iPhone発売後にKDDIがこの通信品質をどこまで維持できるかが注目すべきポイントとなる。 一方、NTTドコモはすでに多くの加入者を抱える中で通信ネットワークを運用しており、とくに都心部でのLTE方式(Xi)の混雑ぶりが目に余る。同じエリア内にユーザーが多いほど通信速度は低下し接続率も落ちるためだ。加入者数が減少しているとはいえ、それでもわが国最大の通信キャリアだけに、人口が集中するエリアにおいてはiPhoneの取扱いで混雑にさらなる拍車がかかる懸念もあり、混雑の解消が急務とされる。NTTドコモは東名阪エリアで1.7GHz帯の割当も受けているが、新型iPhoneでも対応するこの1.7GHz帯でのLTEエリア充実が鍵となってくる。なお、地方都市ではNTTドコモのネットワークは快適に利用できている。後述するが、これは地方エリアにおいてまだスマートフォンが十分に普及していないことが要因である。 今回のiPhone発表では、これらLTE方式のネットワークばかりに目が向くが、LTE方式は現状ではデータ通信専用のため、日常利用で音声通話も多いユーザーはiPhone対応の3G方式通信エリアも考慮する必要がある。いずれにしても、頻繁に利用する場所で電波状態(通信エリア)や混雑度合いがどのような状態にあるのかを見極めて、通信キャリアを選ぶべきである。また今後各通信キャリアがどれだけの投資をしてエリアを拡充させていくかにも注目が集まるだろう。既存のエリア充実度や混雑度、今後のエリア拡張の見込みを考慮した上で、バランスが取れた通信料金であるかどうかをユーザーが判断していくことになる。
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