東京国際ブックフェアの併設イベントである「コンテンツ制作・配信ソリューション展」で、クロスコは、新聞の紙面を撮影するとその中の写真が動画として動き出すというARのデモを行っていた。 このシステムは、印刷物や任意の画像をARのマーカーとして登録しておき、スマートフォンやタブレットにインストールした専用アプリでその画像を撮影する。画像がマーカーと認識されれば、対応した動画が、撮影画面にインポーズする形で再生されるというものだ。 例えば、写真とともに掲載された記事があるとする。その部分をスマートフォンで撮影すると、その事件やイベントの動画も見ることができる。動画はビューアーが起動されたり画面が切り替わって再生されるのではなく、撮影した紙面の写真フレームの中で再生されるので、なかなかインパクトのあるARコンテンツといえる。 同社では、このソリューションを新聞社、雑誌媒体などで使ってもらうことで、紙媒体に新しい付加価値を与えるとしている。ベースとなるクラウドソリューションはNTTコムウェアが開発した「SmartCloudイメージベースAR」というシステムとのことだ。クロスコの事例ではないが、同じ技術を利用して、JAFの会員誌である「JAFメイト」が、動フォトという名前で、詳細記事や動画をスマートフォン・タブレットで見せる編集ページを展開している。今後は、編集段階からARやネットコンテンツとの連動を意識した紙媒体が増えていくかもしれない。