情報通信研究機構(NICT)は11日、重要性や緊急性が高いなど特定のWi-Fi通信について、そのつながりやすさを優先的に向上させることができる「仮想化対応Wi-Fiネットワーク」の開発に成功したことを発表した。 Wi-Fiネットワークは、接続端末数が増加すると、それに応じて利用者全体の通信品質が均一的に低下するような通信プロトコルを採用しているため、特定の通信の品質を優先的に改善することができなかった。 「仮想化対応Wi-Fiネットワーク」では、物理的なWi-Fiネットワーク上に、通信の重要性等に応じて柔軟にネットワーク資源(無線周波数)を配分することが可能な「仮想基地局構成技術」、共用の仮想基地局にアクセスが集中し、利用者全体の通信品質が低下した場合、特定のWi-Fi通信を専用の仮想基地局にハンドオーバさせることで、通信品質を改善する「仮想基地局間ハンドオーバ技術」を採用。既存のWi-Fi通信と同じ通信プロトコルを利用し、また、すべての制御をネットワーク側で行うため、端末に新たに専用ソフトウェアなどをインストールする必要もないという。 この技術により、利用者が密集して無線LANが混雑している場合でも、低遅延が要求されるVoIP通信などを優先的につながりやすくするWi-Fiネットワークの構築が可能になる。なお本成果は、幕張メッセで開催中の「Interop Tokyo 2013」で展示されている。 今後NICTでは、仮想化対応Wi-Fiネットワークを広域展開したテストベッドを構築し、大規模センサーネットワークのための無線インフラとしての実用性を検証する予定。★Interopの情報は、イベント情報メディアの「ExpoTODAY」でもチェック可能です。出展社情報ほか、資料ダウンロード、会場マップも展開します。