NHK技術研究所では、ニュース原稿などから手話のCGを生成するアプリケーションの開発を行っている。技研公開の会場ではそのアプリケーションのデモを見ることができた。 テキスト原稿を解析して対応する手話のアニメーションを表示するだけなら、ひょっとするとコンピュータなら簡単なのではと思うかもしれない。しかし、単に原稿を機械的に変換するだけでは、テレビ放送では動画と同期せず、わかりにくいものになってしまうという。原稿の情報だけでなく単語や文章の発話にかかっている時間や全体の流れを考慮した変換とCG生成が必要となる。 また、手話というのは手の動きだけでなく上半身全体を使うので、CGも記号化された人物やキャラクターではなくある程度リアルなものが必要となり、生成や描画の制御もそれなりの計算量となる。 そのため、現状のシステムは「コンパイル(翻訳)」というステップが必要で、同時通訳的に手話CGを生成することはできないが、コンパイル処理そのものは数分の原稿でもすぐに終わっていた。用途としては、地震や台風などの緊急時の気象通報などが考えられるという。自然災害など時間を問わないニュースにも手話ニュースをすぐに用意できるからだ。