株式会社シマンテックは3月21日、韓国の銀行と放送局が受けたサイバー攻撃の続報として、Linux PCを消去する機能を持つ追加のコンポーネントもこの攻撃に使われていることが確認されたとブログで発表した。複数のOSで動作するコンポーネントが確認されることは珍しく、今回のようにLinux PCを消去するコンポーネントがWindowsマルウェアの内部に仕掛けられているのは異例のこととしている。「Trojan.Jokra」のドロッパーに含まれるこのモジュールは、Windows 7とWindows XPのPCで「mRemote」というアプリケーションを探す。mRemoteは、複数のプロトコルに対応したオープンソースのリモート接続マネージャ。ドロッパーは、mRemoteが管理する、接続を保存する設定XMLファイルを解析し、ルート権限でSSHプロトコルを使う接続を探す。そして、その接続で使われているパラメータを抽出、新しいスレッドを生成し、bashスクリプトを投下する。bashスクリプトは、任意のLinuxディストリビューションで動作するように設計されたwiperの一種。SunOS、AIX、HP-UXの各ディストリビューションで特定のコマンドを使って実行される。これにより、/kernel、/usr、/etc、/home の各ディレクトリが消去される。