MWC2013 初日の基調講演でAT&T Presiden兼CEOのRandall Stephenson氏は、通信キャリアとしての同社の戦略およびそれに必要なものは何か、についてスピーチを行った。 Stephenson氏は、これまでの情報通信市場の動向について、90年代から急激に伸びた携帯電話によって、移動体による音声通話トラフィックが2000年にはペタバイトオーダーになったことから話を始めた。その後、2000年代に入ると、メールなどのメッセージのトラフィックに代わられるようになった。その伸び率は、2000年~2006年までに75,000%以上という驚異的なものだったという。 そしてAT&Tによれば、過去6年のスマートフォンによるモバイルデータトラフィックの増加は、30,000%に達するほどになっていると述べた。 この結果、通信事業をとりまくさまざまなプレーヤーのエコシステムも変化にさらされているという。技術は2Gから3G、4G LTEへと進化を遂げ、そのテクノロジーサイクルも速い。とくに4G LTEはクラウドと結びつくことによって指数関数的なジャンプをするだろうと同氏は言う。スマートフォン時代の次はクラウドの時代になり、コミュニケーションの変化を生んだ3Gが4Gに変わることで、生活のさまざまな部分にも影響が及ぶと予想している。 その例として氏は、ホームセキュリティ、カーテレマティクス、モバイル決済、ヘルスケア、クラウドによるビジネスソリューションなどを挙げた。 このような時代に対するアプローチには、2つの大きな問題があるという。ひとつは周波数のスペクトラム、帯域をどのように確保、分配していくか。企業は周波数確保やインフラ整備に多額の投資が必要となるが、全体としては政策や税制面での措置も必要となる問題だ。 続いてはイノベーションの問題。クラウドではオペレータやプレーヤーは多様になるため、氏はオープンなプラットフォームが重要なポイントであるとする。これはクラウドおよびモバイルOS、通信ネットワーク、さらにはHTML5のようなアプリケーションプラットフォームも含まれるとした。
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