日本電信電話(NTT)は12日、着衣だけで心拍・心電図の常時モニタリングを可能にする、素肌に優しい導電性複合素材を作製することに成功したことを発表した。 従来の医療用電極は、電解質ペースト(ジェルなど)を使用し素肌に粘着させて計測する必要があり、装着感が悪く、日常生活での連続使用に不向きだった。本素材を用いた「ウェアラブル電極」は、シルクや合成繊維の表面に導電性高分子の1つである「PEDOT-PSS」をコーティングすることで、電解質ペーストなしで従来とほぼ変わらない安定した信号の計測が可能とのこと。同時に、柔軟性・親水性・強度に優れ、炎症や不快感等が生じにくい特徴を実現した。 NTTの研究所では、2004年からPEDOT-PSSを金属製の多点電極(MEA)の表面修飾に用い、細胞培養実験や動物を使った生体内埋め込み実験において、高い生体適合性や良好な電気特性を確認しており、今回、シルクや合成繊維にPEDOT-PSSをコーティングした素材の作製に成功した。 今後、基礎研究や将来の医療分野での応用だけでなく、スポーツ・健康増進等のさまざまなシーンでの活用が見込まれる。
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