ソフトバンクモバイルの孫正義社長は、iPhone 5発売によるMNPの数について「去年と同じペース」と語り、「気にする範囲ではない」との考えを示した。 孫社長は、同社冬春新製品の発表会終了後、囲み取材に応えた。記者団との主な一問一答は以下の通り。――iPhone 5の発売からKDDIへ乗り換えている動きもあるが? 去年と同じくらいのペースなので、我々としては気にする範囲ではない。ほとんどのお客様はそのまま残っている。――今後、各社との競争で、繋がりやすさとか速さとか、TVとの連携、どういったところを柱にしていきたい? ネットワークの速度が業界No.1を実現できたということ、端末の品揃え、コンテンツ、テレビとの連携を含めて、業界No.1のサービスを続々と出していきたい。――他社のサービスで脅威に感じているものはあるのか? 今のところはない。――スマートTVなどコンテンツに力を入れていると感じられるが、その狙いは? いままでは、スマートフォンでコンテンツが見れると言っても、ほんの一部で、しかも古い映画。レンタルビデオ屋さんに並ぶ新作が同じ日に揃うというのは今回が初めて。我々はインターネットの分野に力を入れているので、レンタルビデオ屋さんと同じ新作が全部揃うのは画期的。――技術的な環境が揃ってきたということ? 技術的なネットワークの速度、コンテンツの品揃え、業界の理解、3拍子全て揃って初めて実現できる。――「UULA」について、同じエイベックスでドコモの「BeeTV」もあるが、どうやって差別化をするのか? エイベックスさんには力を入れてもらっている。――今回の機種は、(イーモバイルの)1.7GHzの電波を受けられるのか? (1.7GHzの利用は)ネットワークの準備が経営統合で必要となってくるが、それが整えばiPhone 5ではすぐにでも電波を受けられる。かなり速いペースで進んでいくと思う。今回発表した新機種はまだ対応していない、経営統合は決まったばかりなので。――スマートTVは契約者数にカウントするのか? スマートTVはカウントしない。――スマホの速度が76Mbpsに抑えられているのは? チップの消費電力を抑えるため。技術的にはいつでもできるが、スマホでは消費電力を抑えることが重要となる。――TCAの契約者数の月次公開について見直しする動きがあるが? 公表のあり方は、我々は純増No.1を続けているので誇らしいところだが、各社、我々もそうだがスマホや携帯とは違うものまで含まれている。同じ物差しで測っても、スマホや携帯の回線数で我々が一番のびている、先月は我々が12万、KDDIが9万、ドコモがマイナス10万と、一般携帯回線を除いても我々のほうが純増が多いのは間違いない。――例年より新機種が少ない気がするが? iPhone登場以来、世界のメーカーのモノの見方が変わった。例えばサムスンをみてもGALAXYにラインナップを絞った。各メーカー端末数を絞って、特徴の差はアプリケーションソフトで対応できる。小さな差別化のハードはあんまり出しても意味がない時代がきた。――TD-LTEは海外でも使われているが、国際ローミングをやっていく計画はあるのか? 既に中国のチャイナモバイル、インドなどでも、TD-LTE方式に変わっていて、アジアを中心に広がっている。国際ローミングは今後時間の問題。※後編に続く