富士通研究所は26日、既存の携帯電話やスマートフォンなどのカメラ付き端末で、簡単に3D映像を撮影できる技術を発表した。 従来は、一般ユーザーが3D撮影を行う場合、2つのレンズと撮像素子がある専用機器を購入する必要があった。また、歪みを除去した見やすい3D映像に変換するには、高負荷の映像処理が必要となり、既存の携帯電話やスマートフォンなどでは難しかった。 今回富士通研では、小型で安価なアタッチメントを、既存の携帯電話やスマートフォンのカメラの前に取り付け、撮影した映像をクラウドで3D映像へ変換処理することで、3D映像の撮影を可能にする技術を開発した。左目用と右目用の映像を1つにまとめるアタッチメントについて、独自の映像処理技術と組み合せて小型化。新開発のアタッチメントでは、歪みをカメラ内の撮像素子に取り込んだ後で補正処理を行うことにより、57ミリメートル(mm)×14mm×14mmサイズに小型化した。また平面ミラー4枚で構成することで、市販品と比べてコストを約10分の1に削減した。 またアタッチメントのミラーで生じる歪みを補正する処理、および見やすい3D映像に変換する処理といった負荷の高い処理を、クラウドで行うことで、携帯電話やスマートフォンに専用のソフトウェアやプロセッサの導入を不要とした。 今後は撮って楽しむ用途以外に、距離の測定や、寸法や形状の測量など、3D映像の利活用を想定した技術開発を検討するとのこと。なお本技術による3D映像変換を「ニフティクラウド」の仮想サーバ上に設置し、「デイリーポータルZ」と共同で実証実験を行う予定。
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