富士通と富士通研究所は10日、イーサネットワークの新しい自動設計技術を開発したことを発表した。この自動設計では、通信速度やネットワーク構成などの要件を満たした上で、ネットワーク全体の消費電力を従来と比べて約2割削減できるという。 総務省の試算によるとインターネットトラフィックは毎年約25%ずつ増加し続けており、それにともなってネットワークを構成する機器の消費電力も増加し続けている。2025年には日本国内のトラフィック量が100テラビット毎秒以上にも達し、ネットワークだけでICT全体の20%の電力を消費する見込みだといわれている。 富士通の新技術は、データセンターなどの大規模なイーサネット網を対象に、ネットワーク構成、拠点間の通信速度、使用する機器などの関係を表した膨大な設計パラメーターを線形計画問題として数式化し、それらを解くことで、ネットワークの消費電力量や機器設置コストを最小化するネットワーク設計技術となっている。消費電力削減を目的とした設計の試行によれば、最大で約2割の削減が可能となった。今後は本技術をイーサネット以外のネットワークへの適用を可能とするための開発を進め、実用化に向けての研究を推進していく予定。 なお本技術の詳細は、9月13日から北海道大学で開催される「電子情報通信学会ソサエティ大会」にて発表される。