グーグルは8日、東日本大震災の被害状況を記録・保存する「デジタルアーカイブプロジェクト」として、ストリートビューの撮影を開始したことを発表した。Googleマップのストリートビューの技術を活用し、東北地方~北関東の海岸線地域を中心に、撮影を行う。 撮影期間は3~6か月で、東日本大震災における地震・津波の被害を記録、公開し、保存することが目的とのこと。ストリートビューとして撮影・公開することにより、世界中の科学者や研究者だけでなく、一般人もより簡単に、情報にアクセスできることを目指した。 同社では、東日本大震災の被災状況を記録・保存するためにストリートビューの技術を活用できないか、ストリートビューチームを中心にかなり早い段階から議論していたという。一方で、被災地の物理的な状況や被害者の心情に配慮し、慎重に検討を重ねていた。今回、現地の地方自治体の関係者をはじめ、ボランティア、医療関係者、研究者からの要望を受けて、プロジェクトを前進させることを決定した。 撮影対象地域において、すでにストリートビューのサービスが提供されている場合には、今回、撮影された画像に置き換わる。震災以前に撮影された画像については、継続して公開・アクセスできるようになる予定。 本プロジェクトについて、気仙沼市長の菅原 茂氏は「ちょうど気仙沼市としても『記録を残すことは将来への責務である』だと考えていたなかでグーグルからストリートビューの話をもらった。その際に、彼らの何度も『被災地への迷惑にならない様に撮影する』という話をしてくれ、受け入れようと決めた。今回、この試みが気仙沼市から始まる事に光栄に思う。震災で手を差し伸べてもらった世界中の方々に、『自分が支援した市はこうなのだ』と知ってもらい、5年後、10年後にストリートビューでもう一度撮影してもらい、『このように復興できてきているのだ』と感じてもらいたい」とのコメントを寄せている。
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