グーグルジャパンは21日、本社でモバイル広告事業に関する説明会を開催した。 同説明会は新規の戦略を発表するものではなく、拡大するスマートフォン市場で広告を展開していく上での基本を解説するものだった。 モバイル広告営業部統括部長の香村竜一郎氏によると、現在、大手広告主の約6割がモバイル広告を実施していないという。過半数がモバイル広告の強化に興味を持っているものの、予算が限られている、モバイル広告へのビジネスの適合性が不確かなどが原因だが、一番大きいのは64%の大手広告主がスマートフォン向けアセットを持っていないことだという。ここでいうアセットとはWebサイトや何かしらのキャンペーンページ、アプリケーションのことだ。 氏によると、スマートフォンにで成功するためには5つの要素があるという。まず、スマートフォンに最適化されたサイトの作成、そしてローカル情報を意識すること。「とにかくローカル情報はビジネスにインパクトを与える。自分たちの情報に位置情報がどう関係するかを考えていただきたい」と強調した。成功例として挙げられたのが、家電量販店であるベストバイ(Best Buy)だ。Best Buyでは、購入した商品を自分の近くの店舗で受け取ることができるようにアプリが工夫されているという。アセットがうまく機能している例だろう。さらに、広告で重要なのは、PCとデータを分離することだ。「見える化と言ってもいいが、PCとデータをマージしている人が多い。それを切り分けていただきたい。データを一緒にしていた広告主に比べ、成果は10%以上アップしたという例もある」と香村氏は言う。その上で、テストを繰り返し改善していくことが大切だという。 一方で、広告のプラットフォームを用意するGoogleの戦略には、3原則があるという。「シームレス」「包括的」「機能を活かす」。つまり、PCから他のデバイスへの転用も簡単に行えるようにし、デバイスに合わせた広告フォーマットを包括的に考え、GPS、マイクなど機能を生かした広告商品を開発することだ。 説明会ではスマートフォンを例にとったClick-to-call(検索連動型で広告主の電話番号が表示される)、ハイパーローカル(電話番号の横に住所が表示され、マップにジャンプする)、サイトリンク(目的の広告にできるだけ簡単に到達できるよう、絞り込む選択肢も表示する)などが紹介された。 なお、YouTubeは1日に2億回がモバイルで再生されているという。しかしながら、こちらはPCの広告と連動していない。つまり、PC版のYouTubeに広告されるように設定しても、スマートフォンではその広告が表示されないのだ。これは、シームレスという原則に従っていないようにも思えるが、これについて香村氏は「現在、スマートフォンに最適な表示方法を検討中である」と回答した。
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