シマンテックは28日、「シマンテック月例スパムレポート」1月号(抄訳)を公開した。2010年12月において、メッセージ全体に対するスパムの割合は、11月の84.31% に対し、81.69%と減少。世界全体のスパム量がクリスマス当日に急落したという。 従来は、年末年始やイベント日などには、それを狙ったスパムが上昇する傾向があった。にもかかわらず、昨年12月27日には、過去数年間のシマンテックによる記録のなかで最低の71% まで落ち込んだ。シマンテックでは、スパムボットネットであるRustockボットネットからの送信量に、大幅な減少があった点がその一因だと指摘した。12月25日以降、Rustockボットネットからのスパムの量は世界全体のスパム量の0.5% 未満まで落ち込んでおり、このボットネットは基本的に姿を消している。また、メッセージラボは、Rustockボットネットの活動の衰退に加え、別の主要ボットネットであるLethicボットネットとXarvesterボットネットもスパムの勢力図から姿を消していることを指摘している。Lethicボットネットは12月28日以降潜伏しており、Xarvesterボットネットは12月31日以降沈静化している。 一方で、スパムが沈静化していた時期に、無料Webドメインと短縮URLの利用が増加していることが確認されたとのこと。「.ru」URLは依然として多用されているが、先月と比較して15%減少。一方、「.com」URLが増加した。ただし「.ru」URLスパムは、1月10日に急増している。 またここ数か月間、シマンテックはソーシャルネットワーキングサイトを騙る一連のフィッシングWebサイトを確認したとしている。ある例では、フィッシングWebサイトに「Webcam」(Webカメラ)というタイトルが付いており、フィッシングページにWebカメラの画像が表示される。このフィッシングWebサイトは、あたかもそのソーシャルネットワーキングサイトでエンドユーザーがやり取りし合うためにWebカメラ機能が提供されているかのような印象を与えるが、実際には正規のWebサイトでそのような機能はいっさい提供されていない。また最近は、ポルノ関連の偽の情報を利用したソーシャルネットワーキング詐欺が頻繁に確認されているとのこと。とくにインドネシア(Facebookのユーザー数が世界で3番目)では、Facebookを騙るアダルト詐欺などが横行しているという。