加えて、ソニーの持つ技術資産を生かした要素として、高画質化エンジンの「Mobile BRAVIA Engine」や、高感度低ノイズのCMOSセンサー「Exmor R for mobile」を搭載するなど、ライバルメーカーがすぐには追随できない差別化要素を用意している。これまでのIT機器市場を振り返ると、独自の高度な差別化要素を搭載するものの、それにこだわるあまり性能や使い勝手がむしろ低下したり、技術トレンドから取り残されたりして、市場から消えていった商品はあまたある。しかし、今回のXperia arcを見ると、ベースの部分としては比較的プレーンなAndroid機として仕上げつつ、先に挙げたような高度な独自要素や、良い意味での「軽薄短小」なものづくりをそつなく融合させてきた。Androidというプラットフォームが持つ価値を損なわない形で、他社がなかなか真似できない製品を作り上げたという点で、発売後の推移が楽しみなアイテムである。