新サービスでは、448個の演算コアを搭載したGPGPU2個を最小単位とし、1週間以上1日単位の期間で利用できる。新サービスの基盤は、省スペースと高い冷却効率による低消費電力を実現する「IBM System x iDataPlex dx360 M3」で、1サーバあたり2個のGPGPUが搭載されている。GPGPU2個の環境でも、1TFLOPS(テラ・フロップス: 1秒間に1兆回の浮動小数点数演算)を超える処理能力を備えており、4台(8個)のGPGPUを利用した場合、4.12TFLOPSの処理能力が発揮される見込み。使用料金は160万円(税別)からで、112個のCPUによるIBM Computing on Demandと処理能力は同等だが、料金は約60%低価格となる。
「IBM Computing on Demand」は、IBMのデータセンターに設置され、HPC向けに構成されたサーバおよびストレージを高いセキュリティーで保護されたネットワークを介して利用できるクラウド・サービス。顧客側は必要なソフトウェアをインストールし、イントラネット上の資源として管理でき、HPCが活用される複雑な分析や高度な設計、シミュレーションなどのアプリケーションが利用可能。初めてGPGPUを活用する場合、既存のCPUベースのHPCアプリケーションをGPGPU向けに最適化する必要があるが、スーパーコンピュータ向けアプリケーションの開発エンジニアによる「IBM超並列技術支援サービス」により、アプリケーション移行のアセスメントや作業支援、全作業の請け負いサービスなどを同社が提供する。 《冨岡晶》