移動通信事業の減益について小野寺正社長は、音声系のARPU(Average Revenue Per User)が落ちている点、シンプルコースの投入遅れを挙げた。また、スマートフォン投入の遅れについても言及、「最初はデータARPUが高かったが、最近では他社の方が高くなっている。これはスマートフォン投入の遅れによるものであることは間違いない」と話した。小野寺社長はスマートフォン投入の遅れを戦略ミスと反省したが、この遅れの影響はデータARPUばかりではない。「純増シェアで悪いことになっているが、スマートフォンがなかったことが影響している。ソフトバンクをみればスマートフォンがかなりの数を稼いでいるのは事実なので、そこは否定できない。もうひとつの大きな問題は、当社にスマートフォンがなかったことによって他社への流出がでてしまった点だ。特に第2四半期みてると、モバイルナンバーポータビリティでマイナスがでている」と加え、投入遅れが数値として出ている現状を説明。「IS03については今までのフィーチャーフォンがも持っている機能はほとんど入れている。逆に言えば、スマートフォンが持っていなかった機能を入れた。2台で使っていた人が1台で済むんだとわかり、IS03を持っていればいいという人も出てくる」と他社からの乗り換えもねらっていくことも視野に入れているようだが、一方で、「最初に新しいものを出した時には、自社内(au契約者)が機種変更するが通常だ。その割合が当社は高い」として他社からの顧客獲得については、かなり時間が経たないと見えてこないと話した。