ケーブルテレビショーには、家電メーカー、放送機材やネットワーク機材メーカー、ケーブル素材メーカー、番組制作会社など、幅広い展示が行われており、裾野の広さを改めて認識する。なかには中継車両のカスタマイズを手がけるメーカーなどの展示もある。 一方で、家電メーカーとして一般に浸透しているメーカーが、別の顔でブースを展示していることも多い。たとえばソニーは、業務用機材で放送業界から高い評価を得ているメーカーだ。 ケーブルテレビショーのソニーブースは、その一角に3D BRAVIAなどを展示しているものの、展示の大半は業務用のカムコーダーやスイッチャー、編集機材などであり、放送機材のリーディングカンパニーとしてアピールしている。 そんな同社のブースには多数の業務用カメラが並ぶが、そのなかに、撮影現場でのWi-Fiソリューション製品が展示されていた。 Wi-Fiアダプタ「CBK-WA01」は、PDW-700のようなUSB端子を持つXDCAMシリーズのカムコーダーに接続することで、収録中にカメラから送信される映像をPC側で確認しながら、ファイル名やエッセンスマークなどのメタデータを入力できる。PC側で入力したメタデータはカメラ側に送信され、記録される。これにより撮影現場で、編集の予備的な作業を済ませることができるという。 つまり、それぞれのシーンがOKなのかNGなのかや、どのカットをどう使うつもりかといったマーキングを収録中に行うことで、後で編集を行う際の効率アップが図れるのだ。機動力の高いハイパフォーマンスノートPCとの連携は、ソニーらしいと言えよう。 その他にも、中継車両やライブ中継などに持ち込むことを想定した、コンパクトながら拡張性に優れるHDスイッチャー「DFS-900M」などが展示されている。SD/HDのマルチフォーマット対応で、内部に拡張ユニットを増設することで、最大24入力、12出力まで可能になるという。