2009年11月、SSLおよびTLSプロトコルに中間者攻撃を成立させる可能性のある脆弱性がMarshRay、Steve Dispensa、Martin Rex によって公表されました。SSLとTLSは、IP層とアプリケーション層の間に位置し、アプリケーションデータの暗号化とデータの完全性を保証し、通信相手をX.509公開鍵証明書によって認証する機能を提供します。HTTP、SMTP、POPなどのアプリケーション層の通信プロトコルと合わせて用いられるため、本脆弱性は多くのアプリケーションやシステムに影響を及ぼします。
特にHTTPS(HTTP over SSL)プロトコルは、多くのWebブラウザとWebサーバに実装されていますし、Marsh Rayらの報告でもHTTPSを用いた攻撃方法が例として紹介されています。さらに、これをTwitter APIに適用して攻撃者のTwitterアカウントにパスワード情報を投稿させる方法が公開されるなど、実際に悪用可能であることが示されました。HTTP以外のプロトコルへの適用可能性については、Thierry Zollerによって検討されています。FTPS、SMTPSは脆弱であり、EAPTLSは影響を受けないことが示されていますが、POPやLDAPなど影響を受けるかどうかが明らかになっていないアプリケーションプロトコルも残っています。