SAS Fraud Frameworkにおける不正検知・アラート生成は、ルールベースの手法による既知の不正取引のパターンの検出、基本統計量(平均、標準偏差、パーセンターイル)、回帰分析、ピアグループ分析などによる未知の不正パターン(個別取引・複合取引の異常なパターン)の検出、ニューラルネットワーク、決定木、一般化線形モデルなどによる高度で複雑な不正パターンの検出などにより実行される。また複数の不正検知・アラート生成モジュールより発生したアラートを統合し、優先順位の付与を行ってケース・マネジメントに引き渡す。またアラートデータをもとに、誤検出(False Positive)の低減や、検知ロジックの効率性のモニタリングを行うためのモジュールを提供する。ケース・マネジメントは、調査を記録する際の重要な土台で、不正による損失など、財務情報のための記録を提供するとともに、法規制にもとづく報告を監督機関に行う際の主要な資料分析を行う。
最新の「SAS Social Network Analysis」では、顧客に関するすべての詳細情報を解析することで、顧客間の隠れた関係性を洗い出し、その結果を優れた視覚化機能によってビジュアルに表示・分析できる。これにより、これまでは困難であった組織的な不正利用ネットワークを簡単に特定・管理できる。SAS Social Network Analysisでは、住所、メールアドレスなどの属性情報や口座間の取引履歴をベースにして、各エンティティ間の関連を発見、追跡することなどが可能となっている。
《冨岡晶》