日立製作所は21日、神奈川県横浜市のデータセンタを拡張し、3棟目となる「横浜第3センタ」を開設する。 新センタは、最先端のグリーンITを駆使した環境配慮型データセンタ。建物規模は地上7階・高さ31mで、敷地面積5,829平方メートル、延床面積10,961平方メートルとなる。内部には、一元管理による迅速な障害対応支援など充実した運用管理を実現する「日立統合管制センタ」を設置する。さらに、企業の膨大な業務に対応する高信頼、高セキュリティなクラウドコンピューティング環境の実現をめざし、クラウドコンピューティングの検証やサービス提供を行うHarmonious Cloudセンタも新センタ内に設置する。 同社ではこの新センタについて、堅牢性、信頼性を兼ね備え、環境に配慮した、日立グループの総力を結集したものであると位置付けている。日立グループが現在取り組んでいるデータセンタ省電力化プロジェクト「CoolCenter50」の成果を適用し、IT省電力化計画Harmonious Greenプランによる省電力IT機器を取り入れたという。具体的には、高効率設計の空調設備「FMACS−V(エフマックス-V)」や無停電電源装置「UNIPARA(ユニパラ)」などを導入して省電力性を高めるとともに、3次元熱流体シミュレータ「AirAssist(エアアシスト)」を用い、最適な空調効率が得られるような環境を構築した。また、サーバラックに設置したセンサーから温度・湿度などのデータを収集する。屋上においては、緑化や保水性ポーラスコンクリートパネルを採用し、熱負荷を軽減するとともに空調効率を高めた。 統合管制センタでは、IT機器、サーバ室環境、ビル設備の稼働状況について24時間365日体制で一元的に監視を行っており、システムの「見える化」を実現、障害時にも迅速な対応を可能にした。障害対応支援に関しては、運用管理ソフトウェア「JP1」を活用することにより、システム稼働監視機能、インシデント管理機能および問題管理機能を持たせ、ハードウェア・ソフトウェアの両面からワンストップで、システム障害に対するユーザーの負荷軽減を実現する体制を整えたという。