【スピード速報】はhttp://speed.rbbtoday.com/の1週間分の計測データをもとに各種の統計データを速報でお伝えする。このサイトはIXに計測専用サーバを置き、月間計測数は数十万を超え、統計データとしても十分な精度と信頼性を持っている。 今回は、ビジネスアワー以外(19時台〜明朝8時台)の東京23区別平均ダウンロード速度(ダウンレート)ランキングをご覧いただく。2009年6月2日〜6月29日の測定データから郵便番号と回線種別が明示されていたものを抽出して、日本郵便のサイトで公開されている最新の全国郵便番号ファイルとの付け合せによって地域を特定して(※1)ダウンレートを算出した。 なお、区別と種別の統計のため、1週間分では件数が充分ではないことから、今回も4週間分のデータを用いている。 図を見ての通り、ビジネスアワー以外のダウンレートトップには、ビジネスアワーでは6位だった葛飾区(53.9Mbps)が立った。第109回「寅さんもビックリ!?葛飾区が東京23区のアップロード速度トップ」で述べたように、葛飾区は高速なアップレートが特徴である。なお、葛飾区は昼間の人口の増加率が77%で23区最低だ。つまり、夜間人口の方が大幅に大きい地域であるが、このことはビジネスアワー外のダウンレートには影響していないようだ。 また、前回のビジネスアワーでは2位だった荒川区は、ビジネスアワー外でも2位(45.3Mbps)であり、3位にはビジネスアワーのダウンレートトップだった世田谷区(43.1Mbps)がランクインしている。これに対して、ビジネスアワーのダウンレート最遅だった千代田区は21位に入り、足立区が16.1Mbpsで最下位となった。 さて、次にこの各件数に含まれる無線データの割合を調べてみたところ、トップ2の葛飾区・荒川区は1%、3位の世田谷区は3%であった。無線データの割合が最大なのは千代田区の25%で、次点は北区の24%であることから、やはり、無線データの割合が多い地域が低速になる傾向がある。しかし、最下位の足立区は8%に留まり、これを上回る10%に達している台東区が10位に入っていることを見ると、一概に無線データの割合のみが原因とは言えないようだ。 以上から、前回のビジネスアワーでは「昼間の人口集中によるトラフィックの増大と無線データの割合」の両方がダウンレートに影響しているのではないかと考えたが、ビジネスアワー外では「夜間の人口拡散の影響は無視できる程度であり、無線データの割合の影響が(ある程度)見られる」と考えられる。将来、有線データの光回線への置き換えによる高速化が進み、各区の有線における速度差が小さくなるとすれば、ダウンレートの差は無線データの割合に比例することが予想できる。しかし、モバイルWiMAXサービスの開始により、無線通信スピードの向上も期待できるため、WiMAXのサービスエリアでは、異なった傾向になる可能性もある。今後も周期的に調査・検証していこう。(※1)郵便番号による地域の特定について 当コラムでは地域をまたがる郵便番号について考慮しているが、東京23区においては地域をまたがる番号はない。よって、郵便番号によって測定が行われた区名を特定できる。(※2)各区の昼間と夜間の人口の比率について 東京都が公開している資料「東京都の昼間人口 平成17年」(http://www.toukei.metro.tokyo.jp/tyukanj/2005/tj-05index.htm)を用いた。なお、この資料における昼間と夜間の区別は特別な基準によっているので、ビジネスアワーとは必ずしも一致しない。
【スピード速報(151)】ビジネスアワーの東京23区ダウンレートトップは世田谷区、最下位は千代田区 2009年7月3日 【スピード速報】はhttp://speed.rbbtoday.com/の1週間分の計測…
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