アイデアの発想方法について中村氏は、ジェームス W. ヤングの「アイデアのつくり方」という本を紹介し、まずはターゲットの情報を集めろ、そして考えあぐねてもいいアイデアはでないが、そのような活動の中で、電車の中、トイレ、お風呂といったところでひらめきが得られるものであるとの考えを示した。情報を集めて考えてもアイデアは出ないが、それをしていないとインスピレーションは自然には湧いてこないということだろう。そして、Flashなどの技術の習得もやはり重要だという。よく、専門家以外のほうが奇抜なアイデアがでるというが、現実にはそれはまれで、やはり日ごろ関連の情報に接していて、常にそのことを考えているようでないと、本当のブレークスルーは生まれないだろうと述べた。特に佐野氏の作品のような作り込みの深さは時として、実際の機能より重要になることがある。また、このようなコンテストでは「ふざけた内容のものはポイントが低い」ということを念を押していたので、この点も注意が必要だ。
《中尾真二》